志帥会入会にあたって

細野 豪志

本日、志帥会に入会いたしました。この決断に至った経緯をご説明申し上げます。

志帥会を束ねる二階俊博先生は、裾野市ご出身で旧静岡2区の代議士であり、狩野川台風発生時に建設大臣を務められた遠藤三郎先生の秘書から長い政治生活をスタートされています。二階先生は、遠藤先生の秘書として狩野川放水路の早期完成に尽力されるなど、災害からの復旧復興に大きな貢献をされました。こうしたご縁もあり、二階先生には、従来から地元の要望の実現にご尽力頂き、私が取り組んできた生活保護家庭の進学や虐待の問題についてもご指導いただいて参りました。

政治家としてスタートした20年前から、私が大切にしてきた政治理念が三つあります。

① 内政は弱い者の立場に立つ
② 多様性(ダイバーシティ)を大切にする
③ 外交安保は現実主義に立つ

若輩の私が申し上げるのは僭越ですが、二階先生とは私が大切にしてきた三つの政治理念を共有することができると感じるようになりました。

一昨年、安保法制違憲論に舵を切った民進党を離れ、希望の党を立ち上げたのは、この理念を実現するためです。チャレンジしたことに悔いはありません。

しかし、総選挙の結果は厳しいものでした。国民は野党第一党として立憲民主党を選び、希望の党は解党するに至りました。政治家である限り、国民の判断は厳粛に受け止めなければなりません。総選挙の後、自らの進むべき道について熟慮を重ねる日々を過ごしてきました。

希望の党で共に戦った議員が参加している国民民主党に期待してきましたが、現実には野党勢力が立憲民主党に収斂されつつあります。今夏の参議院選挙では1人区を中心に共産党を含めた野党の選挙協力が進んでおり、衆議院でも協力が進むと思われます。外交安全保障と憲法という基本的な理念に大きな違いがある以上、こうした野党勢力に加わるという選択肢は私にはありませんでした。

今後は、志帥会の一員として与党の皆さまと協力しながら、政策を前に進めるために力を尽くして参ります。私をお支え頂いてきた皆さまの中には、今回の私の決断について厳しいご意見をお持ちの方がおられると思います。また、自民党の関係者の皆さまの中に、長く非自民の立場に身を置いてきた私に対する厳しい声があることも承知しております。そうした皆さまと対話を重ねながら、自民党入党を目指して参ります。

今回の判断は、政治活動20年の中で最も難しいものでした。これまでご縁を頂いた様々な方々、既にお亡くなりになった方々を含め、多くの方の顔が頭に浮かんでは、思考が行きつ戻りつを繰り返し、決断には相当の時間を要しました。しかし、政治家として国家国民のために働き、地元に貢献するためにはこの道しかないとの結論に至りました。決断した以上は、歩みを前に進めます。

冒頭で記した私の政治理念は、今後も変わることはありません。しかし、今回の決断は、保守二大政党制を目指し、非自民に長く身を置いてきた私の政治的な立場を大きく転換するものであることは紛れもない事実です。ご批判は甘んじてお受けいたします。

今後は、新たに出直すという重大な覚悟をもって懸命に働いて参ります。皆様のご理解を頂けますよう、伏してお願い申し上げます。

追記
一連の報道の中で、選挙区を移るのではないかとの噂が一部で出回っていることに、大変、驚いております。明確に申し上げます。そのようなことは絶対にありません。この地で政治家としても、人としても育てて頂いた私が、選挙区を離れて政治活動をすることなど、全く考えられません。念のため、追記させて頂きます。


編集部より:この記事は、衆議院議員の細野豪志氏(静岡5区、無所属)のオフィシャルブログ 2019年1月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は細野豪志オフィシャルブログをご覧ください。