※編集部より:自民党渋谷総支部の若手5名が自身の子育ての経験なども踏まえて、より現実的、理想的な子育て支援策について論じた投稿をいただきました。5人の方の寄稿を順次掲載します。
(過去記事一覧)
第1回「妊婦さんへの支援の拡充を — 長島 洋平」
第2回「第一子を育てるママへのサポートと情報提供の重要性 — 松本 翔」
なお、アゴラでは現在、統一地方選立候補予定者向けのブログ講座(2月20日)の受付中ですが、編集部では、党派を問わず、統一地方選に向けて立候補予定者の皆さまのご投稿を歓迎します。
渋谷区の就学前児童数は2018年4月現在で10,686名。保育定員4,069名。待機児童数は151名。待機児童ゼロを目指さなければならないと考えますが、その手法についてはロケーションニーズに即した対応が必要です。
区全体では保育所の定員がニーズを満たすようにすべきなのはもちろんですが、人口分布として人口の多い笹塚、幡ヶ谷、本町地区周辺に入所できるとしても氷川地区、恵比寿、広尾、新橋地区等のロケーションから当該エリアの保育所に毎日通わなければならないとなったときの負担は大きいでしょう。
渋谷駅以南の区民はそうなった場合、私立の認証保育園に入れている方が多いと聞きます。区の対策として、生まれたタイミングもしくは区内入居したタイミングで希望する児童の住所地からロケーションとしてのニーズをもっと事前に把握して保育所、保育士配置がコントロールできるのが良いのではないでしょうか。
病児保育についても現在初台にしか対応施設がなく、渋谷駅以南のエリアの区民にとっては利便性の難を解消すべく施設の拡充を提案したいです。
地域ごとの事情に鑑みた支援策の充実も必要です。例えば、港区、千代田区、渋谷区を比べても手当ての種類や金額、適用条件が異なっています。父母以外の家族のサポートのない核家族の多い渋谷区では、育児に対してのサポートに行政・会社・家庭がどのように向き合うかは他の区以上に重要だと考えます。
サポートニーズが各家庭によってそれぞれ違う。ライフステージによって必要なサポートが違う。このメニューをどれだけ増やせるかが必要です。また、制度があっても周りとの人間関係や会社との関係から使いづらいという人的課題、そもそも制度がないという制度的課題、制度があることを知らないために使えないという情報課題があり、区としても都や国と連携しながら解決していくべきだと考えます。
渋谷の現状と課題について具体事例でみてきましたが、今度は一般論として子育てをするにあたり理想的な社会環境について考えてみたいと思います。
親目線の政策が多いですが、子供目線で良いといえる社会にしていく必要があると考えます。子供はやはり親と長い時間すごしたいでしょうし、親も子供となるべく多くの時間を過ごしたいでしょう。そのニーズに社会が応えなければいけない。具体的には、職育近接の環境を用意することが必要だと思います。
次に男性の育児参加についてですが、制度として設置している民間企業も多いのは事実です。しかし、取得することに対して必ずしも好意的にとらえる社員だけではないのも事実です。結果、制度があっても取りづらいという現実から一歩、社会全体として踏み出さなければならないと思います。
そして女性の育休、職場復帰、再就職についても社会の変革は必要です。月並みな表現にはなりますが出産は女性にしかできないというのは事実であり、将来の社会を担う人材をこの世に誕生させていただいているという感謝の念をもって社会全体で支えていく必要があります。
このことを具体的に考えると育休、職場復帰、再就職について寛容な社会になってしかるべきであり、居心地の悪い環境を作ってしまうことのないよう、社会全体にこの点に関するリテラシーの向上が必要であると思います。
総じて、すべては皆が他人に対してどのように感じて行動できるかという点において相互に理解しあえるかという点に帰着するのではないかと思います。他人同士がより良い環境を作り上げようとするのが社会であり、子育てに理解を示し行動できる人が集う街・渋谷区にしなければならないと心から思います。そして、私自身が渋谷から社会変革をおこす一助となれるよう努めます。
中村 豪志(たけし) 自民党渋谷総支部 青年部副部長
1976年生まれ、仙台生まれ静岡育ち、明治大学卒業、米国オレゴン大学卒業。ヒューレット・パッカードやモルガン・スタンレーなど 外資企業で勤務しながら、(公社)東京青年会議所で地域活動、社会活動。2012年渋谷区委員会委員長。2015年理事長。7歳と4歳の2児の父。次世代を担う子供たちに良い社会を引き継ぎたいと、政治の世界へ。 公式サイト。
※ この寄稿はあくまで執筆者の個人的見解・提言であり、自民党もしくは渋谷総支部の見解・政策ではありません。