まあ、ゴーン氏も迷走していたということだろう。
これまでゴーン氏の弁護人を務めておられた元特捜部長の弁護士と元特捜部長と同じ法律事務所に所属する弁護士の二人がゴーン氏の弁護人を辞任されたようだ。
どなたを自分の弁護人に選ぶかはご本人の自由なので、弁護人が交代したからと言ってそう特別のことではないのだが、著名人の刑事事件で弁護団が途中で交代するというのはやはり珍しい。
被告人と弁護人との意思疎通に齟齬を来たしていた、という証拠だろう。
ゴーン氏にとっては相当厳しい状況になっているはずである。
まず、当分、保釈は認められそうにない。
ゴーン氏としては、一日も早く保釈してもらいたくて検察当局にそれなりに影響力がありそうな元特捜部長の弁護士を弁護人に選任したのだろうが、すっかり当てが外れたというところか。
世間から無罪請負人としばしば称されることがある弁護士が新たに弁護人になっても、そう簡単には状況は変わらないだろう。
ゴーン氏の刑事事件は相当長引きそうだな、というのが率直な私の感想である。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年2月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。