二階さんの発言が相当自民党内で波紋を広げたようである。
それはそうだ。
私でも、えっ、と思ったくらいだから、何とか小池さんの足を引っ張りたいと思って虎視眈々と小池さんに狙いを付けていた方々にとって二階さんの発言は後ろから羽交い絞めされたような感じがしたろう。
二階さんは、この件については口を閉じることにしたそうである。
これ以上波紋を広げることは決して得策でない、と判断されたようだ。
こういう風に緩急自在に動けるところが二階さんの凄いところで、大事なところで一言発言をして、後は黙ってしまえば、二階さんの発言が段々重くなる。
政治家は雄弁だけが能ではなく、然るべき人が黙って口を閉じ、ぎょろりと相手の顔を見ているだけでそれなりの迫力が出てくるものである。
雄弁は銀で、沈黙が金だ、というのは、そういう趣旨のことだろう。
黙っているから前言を翻したのか、というと、そういうことはない。
人によっては慌てて前言を取り消したり、前と違うことを言ってしまったり、しなくてもいい余計な弁解をして何とか取り繕うとするものだが、二階さんはどうやらそういうことはしないタイプのようである。
若い方々の面倒見がいい政治家として定評のある二階さんである。
マスコミからあれこれ突かれている人であっても、二階さんは自分の方から切るようなことはしない。
軽佻浮薄な人が増えていると囁かれている最近の永田町では珍しい政治家であることは間違いなさそうだ。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年3月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。