大阪市の分割解体が「都構想」とは冗談か。“小西知事”に期待!

松川 るい

おはようございます!もっと時間をかけて記事を別途書くつもりですが、FBとツィッタ―の連動がうまくいっていないようなので、念のため、FBに書いた記事をブログにも上げておきます。ブログにはもっとちゃんと別途書きますが、時間がたっても何なのでとりあえず。

今週(特に昨日)は伝えたいことが沢山ありました(が、疲れて寝てしまう日々で遅くなりすみません。FBページの方に活動報告ありますのでご参照下さい。)。まず、大阪府知事選。前副知事の小西ただかずさんが自民党推薦候補として戦うことになりました。はじめてお目にかかりましたが、素晴らしい方です。

松川るい氏公式FBページより:編集部

昨日、安倍総裁、二階幹事長、吉田参議院幹事長、橋本聖子会長などに大阪選出の国会議員と共にご挨拶にあがりました。

そして、大阪市長選の方も、元大阪市会議員で前回の市長選も戦った柳本顕さんが立候補予定とのこと。府市とも最高の候補者に恵まれました。今回で「都構想」議論には終止符を打って、真に大阪を前に進める果敢な都市開発や経済対策や教育政策などに府も市も精力を傾注すべきです。せっかく、G20、大阪関西万博と、世界の大舞台に大阪が乗るという、大阪の時代がやってきたのですから。

大阪都構想が知事市長選のメインイシューになることそのものに私は違和感を感じます。都構想などという制度論以前に、都市開発、経済政策、人口政策、教育政策など、山のように重要なイシューがあるはずです。が、いずれにせよ、少なくとも「大阪都構想」は問題が多すぎることは確かです。

詳しくは別途ブログに書こうと思っていますが、そもそも「大阪都」という名称に自動的にならないことはご愛敬としても、大阪がかろうじて日本第2か3位の都市という地位を保っているのは、大阪市という一定規模の人口と財源と都市機能を持つ都市があればこそだということを全くわきまえていないと思うからです。

府と市の連携が重要であるということは当然です。しかし、その手段が大阪市の解体分割というのはいかがなものかと思います。私は、大阪が副首都機能を担うべきと思っています。また、大阪を中心に関西経済圏を作り、東京と共に日本を支えるべきとも思っています。大阪「都」という名前が仮につくとすればそれも結構なことだとも思います。問題は、大阪の中で唯一財源がまあまあまともな稼ぎ頭で万博、IRなど、大阪の看板というか都市機能の担い手の大阪市を分割解体することの致命的な間違いは看過できない、ということです。

ルネサンスはフィレンツェなくして生まれませんでした。都市開発には一定の富の集中が必要です。これからIRと万博とかうめきた2期工事とか中之島、淀川、御堂筋、様々な都市開発の対象があります。大阪の強みはむしろ、大都市なのに、これだけ多くの開発対象空間がまだ残っているということにあるといっても過言ではありません。大阪市を解体して赤字の大阪府に財源を分配してしまったら、世界の人を集められるような大胆でエッジの利いた都市開発や万博など期待できません。

大阪府の大阪市以外の市町村の方、「おお、それなら、大阪市解体して、財源うっとこの町にきたらええやん。」と思いますか。そうことは簡単ではありません。一番の稼ぎ頭が倒れたら、結局、大阪全体の地盤沈下になること必至です。同じ組の一番の稼ぎ頭をつぶすかどうかというのが「都構想」の肝です。結局、大阪市を解体すれば大阪全体の地盤沈下になり、大阪市以外の市町村も、じり貧になることでしょう。

よく東京都と比べて、23区で東京は上手くいっているじゃないかと言いますが、東京と大阪は全然状況が違います。まず、一番違うのは、東京は税収が多く(国に召し上げられて地方交付税交付金として他の県に配られてしまうぐらい)、また、23区が9割の東京のGDPと7割の人口を有しており、人口と経済の面で、東京都=23区と言って良い状態にあるということです。つまり、東京都の利害と23区の利害はほぼ一致します。

これに対し、大阪府は赤字団体です。その中で、大阪市だけがかろうじてまあまあ財政状況がまともなのです。比較の問題ですけど。大阪市が市内で集められた富を大阪府の他の県に渡さずに都市開発をすることができればこそ、「大阪」において都市開発ができる状況があるわけです。しかも、大阪市の人口は大阪府の3割しかなく、東京と異なり、大阪市=大阪府という状況ではありません。

大阪市を解体した途端、まだまだ都市開発が不足しているにもかかわらず、IRや万博などはじめ大阪が都市としての機能を減じていくことになるでしょう。それは、名古屋のリニア開通が8年も大阪より先だということと相俟って、大阪の地位を劇的に下げてしまうことになりかねません。本当にもったいないです。

シンガポールなど、過去1000年にさかのぼって世界遺産があるわけでもなんでもなくとも、新しいビルや新しいコンセプトで世界中の一流の人を集めている国はあります。イノベーティブな都市開発、積極的な人材登用、経済政策をすれば、大阪はいくらでも発展できるし、それこそが、日本全体から託された大阪関西圏へのノーブレスオブリージュなのです。その核になる大阪市をつぶしてしまうことは少なくとも今は絶対にやめるべきです。日本本全体のこと大阪全体のことを考えてもらいたい!

ということで、この辺のことをよくよくご承知の元副知事小西ただかずさんは府知事最適任です。しかも、一見、地味実直という感じの小西さんですが、なかなかどうして、ずばずばモノをいう大阪愛溢れる大物です。


編集部より:このブログは参議院議員、松川るい氏の公式ブログ 2019年3月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は、「松川るいが行く!」をご覧ください。