「託児ルーム」じゃなくて、「子供がいても構わない多目的部屋」

「自民党本部内に『託児ルーム』」、というタイトルの記事が出てきました。これは多いに語弊があります。自民党内に保育所のような「託児ルーム」を作るということでは全くありませんから。しかも、私はインタビューを受けてもいないのに勝手に発言が部分的に引用され、間違った記事内容を肯定しているかのような体裁にされており遺憾です。

写真AC:編集部

正直、私が中心でやっている話でもなんでもないので、最初にこの記事を見た時に訂正コメントしておくかどうしようか迷ったのですけど、この記事をそのまま信じて文章を書く方も出てきたので、記事内に名前が引用されてしまったこともあり、私が承知している範囲で間違いは訂正させて頂こうと思い筆をとりました。

そもそもですが、本件部屋については、詳細は運営方法含め何も決まっていない段階です。が、少なくとも、「託児ルーム」などというものではなく、「子供がいたとしても構わない(文句は言われない)多目的部屋」を作るというのが本質と理解しています。

考えられる利用方法としては、子連れで会議をしても良いとか、保育園開始時間に間に合わない朝早くの部会の間(30分から1時間ほど)自己責任で子供をおいておいても良いということもあれば、女性同士の交流サロンのように使おうとか、様々な政策についての資料をおいておき勉強をしても良い部屋(研究所とか図書館みたいなイメージ)にしようとか、上京した地方議員が荷物をおいておいても良い部屋にしようとか、様々なアイディアが出ています(まだまだいろいろ考えられそうです)が、ポイントは、この部屋を利用する場合は、「子供がいたとしても文句を言わない」ということにあると理解しています。

規則があるわけではありませんが、党本部内の会議室に子供を連れてこないことは不文律です。この部屋だけは、子供(男性議員の子供も無論可)がいても構わない部屋にしようということです。良いことだと思います。私は、この3年、党内の様々な場所で、子連れオッケーの場所があればいいのにということは折に触れ発言してきましたが、これまで真剣に取り合われることはありませんでした。今回、もしかしたら動きそうな感じがあることは素晴らしいことだと思います。

これまでも、fbでもブログでも何度も書いてきましたが、私は、ワークとライフはそんなに分けるべきものではないのではない、ワークとライフは交じり合って良いのであり、ワーク・ライフ・バランスというよりワーク・ライフ・マネジメントの発想が社会の幸福度を上げる上で大事だと思うのです。私が提唱する「ライフスタイル革命」の柱となる信条です。

つまり、誰もが生きている中で、子育てとか、介護とか、病気療養とか、個人的な事情を抱えるものであって、「仕事(ワーク)の場から一切これら個人的事情を切り分けなければならない」とすることで相当個人の幸福度が犠牲になっていると思います。ずっと永遠にではないのですから、子育てが職場に交じり合うとか病気療養が職場生活と交じり合うことを公に認めて良いのではないでしょうか。

それを無理やり切り分けようとするから限られた1日24時間の時間の中で無理が生じるのです。人間の究極の資源は時間です。1日は24時間しかありません。仕事に「個人」を持ち込ませないために、どれだけのコストを払うのでしょうか。もっと社会が寛容になるべきだと思います。人手が余っているわけでもないので。そう、時間と人手が限られた資源です。

元に戻すと、「自民党内に託児ルーム」というのは間違っています。まだ、詳細は決まっていない段階です。ただ、私としては、女性に限らず男性にとっても良いと思えるような、「子供がいても構わない場所」が党内にできれば、それはとても良い第一歩だと思います。


編集部より:このブログは参議院議員、松川るい氏の公式ブログ 2019年3月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は、「松川るいが行く!」をご覧ください。