パチンコ業界に望むこと

ども宇佐美です。
先日のブログがパチンコ業界で話題になり「業界内文書まで出して、結局宇佐美は何をしたいのか」と言う趣旨のツッコミがいくつか入ったので、簡単にまとめておこうと思います。なお先日のブログで画像を削除したのは、情報提供者の安全のためです。

・まず第一に当たり前のことであるが「パチンコ業界には法律を守ってほしい」ということである。
前に書いた通りパチンコホールが毎日している釘曲げ行為は違法な不正改造である。もちろん現行の風営法の規制が到底守ることが不可能なことは間違いなく、その事情は承知しているのだが、それならば「守ることが可能な規制」を実現すべく業界から行動を起こすべきである。性能表示モニタも導入されたことであるし、今ならばそれが可能であろう。

・第二に「根回しをして自分達に都合が合わない国会人事を妨害することをやめてほしい」ということである。
最近国会では田中紀子さんや私と関係が深い議員が、パチンコ業界を主に所管する内閣委員会の委員になろうとしてもなれない事態が続いてる。一度や二度ではない。ここまで続けば偶然ではなく、おそらく妨害工作をしているのだろうと思われる。こちらとしては「万機公論に決すべし」で、ギャンブル依存症という社会課題について国会という開かれた場で議論することで決着をつけたいのだが、それを妨害されるなら場外戦で戦わざるを得なくなる。

・第三に、抽象的で綺麗事を並べた標語ばかりを作るのではなく「パチンコ業界として、ギャンブル依存症問題も含め、これからどのような未来を切り開いていくのかをまとめたビジョンを具体的・体系的に示してほしい」ということである。そうした対外的なビジョンを示してもらえなければこちらとしてもコミュニケーションの取りようがないし、毎度のように場当たり的な「ギャンブル依存症対策」と名打った言い訳程度の施策を提示されて「やったふり」をされても批判的な姿勢を取らざるを得ない。

いずれも大した要望ではないので、これくらいのことはしてほしい。
個人的にはもうパチンコ業界とケンカをしたくないのでよろしくお願いしたい。

宇佐美 典也   作家、エネルギーコンサルタント、アゴラ研究所フェロー
1981年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業後、経済産業省に入省。2012年9月に退職後は再生可能エネルギー分野や地域活性化分野のコンサルティングを展開する傍ら、執筆活動中。著書に『30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと』(ダイヤモンド社)、』『逃げられない世代 ――日本型「先送り」システムの限界』 (新潮新書)など。

(編集部より:執筆者の要望により画像を削除しました)