3月29日に国立弘前大学(青森県弘前市)から「ウェブアクセシビリティ向上のための弘前大学公式ホームページ,機能整備について」という報道発表があった。
次がポイントである。
平成29年度にPC版の文字の大きさ変更機能(小・中・大),背景色切替機能(白・黒)を整備し,今回,背景色切替機能に青色と黄色を追加,スマートフォンでも同機能をご利用いただけるようになりました。
障害者差別解消法が施行され、第7条で行政機関等にアクセシビリティ配慮が義務付けられた。弘前大学の機能整備はこれに対応したように見える。
しかし考えてほしい。文字を大きくして閲覧したい、背景色を反転させ閲覧したい障害者はどのようにして弘前大学サイトにたどり着いたのだろう。検索サイトを開いた時点から文字を大きくし、背景色を反転させていたからたどり着けたに違いない。ブラウザあるいはOSにはそんな支援機能が装備されているので利用したわけだ。PC利用なら文字サイズはChromeでは「ズーム」で、Edgeなら「拡大」で大きくできる。
サイトにたどり着いた後で文字を大きくしたり、背景色を反転させたりする障害者はいない。「文字サイズや背景色を固定してブラウザの支援機能が妨害する」のを避けるのがアクセシビリティ配慮であって、弘前大学の対応は筋違いである。
弘前大学はサイトを開発したIT業者に騙された。
IT業者が無駄な機能を押し付けていると見抜けなかったのは弘前大学のリテラシーが高くなかったからだろうが、IT業者側もそろそろ無駄な機能の押し売りはやめていただきたい。