東大女子はなぜモテるのか

宇佐美 典也

上野千鶴子氏(Wikipediaより:編集部)

ども宇佐美です。
上野千鶴子先生の東大入学式での祝辞がバズっていますが、その本論とは関係なく、東大OBとして「東大女子は(少なくとも在学中は)モテる」という話を簡単にまとめておこうと思います。

・全学部均すと東大の男女比率は概ね2(女):8(男)程度で、女子の比率は2割を若干下回る程度である。つまり1人の女子に対して、男が4人いる計算である。

・俗論だが恋愛の多くは半径100メートル以内で起きる的な話を前提に考えるとこれだけでも、東大女子はモテる環境を満たしているように思えるわけだが、現実には「フリーな男女比」は1:4どころではなくなる。

・これは極めて単純な話で、例えば「入学後一年以内に東大女子の8割程度が彼氏がいる」とする。いささか高い数値かもしれないが、1:4という男女比率を考えるとそれくらいの仮定をおいてもいいように思うし、実際上野先生おっしゃるように社会には「東大」という学歴に腰が引ける男子が多いので、東大女子の彼氏の8〜9割程度は学内だと思う。そうなると一年後には全体のうちフリーな女子は同学年全体の4%程度ということになる。

・では男はどうかというと、現実に東大男子はそれほどモテるわけではない。これもまた理屈は単純で東大男子の多くはクラスの中の「イケてないガリ勉集団」であったわけで、東大に入って「東大」という下駄を履いたところでその長年培った非モテのメンタリティは簡単に覆るわけではない。以前として本質的には「イケテナイ」ままで、その上学内では周りは男ばかりである。

写真AC:編集部

・結局、学内で高い競争率に勝って東大女子をゲットするか、女子大とのインカレで学外にパートナーを求めて東大ブランドの下駄を借りてなんとか彼女をゲットするか、ということになる。これは「始めからコミュニケーション能力に長けたモテるポテンシャルを持っていた男がモテる。」という話と大差がない。

・そんなわけで「東大ブランド」という下駄を履いたところで1年以内に彼女ができる東大男子はせいぜい4割程度であろう。そういうわけで入学後一年経ってフリーな男子はおそらく同学年全体の50%程度になる。

・そんなわけで1年後には東大の同学年におけるフリーな男女比率は1:10強程度にまで開く。もちろん恋愛というのは学内閉鎖系のシステムではないが、他方で当然に同学年にも限定した関係性というわけではないためフリーな東大女子を巡る学内の彼女争奪戦はもっと激しくなるので、まぁ現実として「東大女子は在学中はモテる(環境にある)」といっても過言ではないと思う。

・余談であるが私を含めて東大女子の彼女を作れなかった男たちが、卒業後に飲み会などで顔合わせると「一度は東大女子の彼女作りたかったよな〜」などと負け犬同士傷を舐め合うのは恒例の行事である。

・他方でこれはあくまで東大女子が東大男子に囲まれる在学中の話で、大学を卒業して就職すると今度は周囲が「東大という学歴に腰が引ける男性社員」に様変わりすることが多く、ここからは一気に環境が変化して東大女子のモテ期が突如として終わりを告げることになりがちである。

・そんなわけで上野先生の話もこの辺りを強調すればOBも「ウンウンあるある」とうなづけるような面白い話になったのではないかと思う。

本当にしょうもない話をしてしまったが、ではでは今回はこの辺で。

宇佐美 典也   作家、エネルギーコンサルタント、アゴラ研究所フェロー
1981年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業後、経済産業省に入省。2012年9月に退職後は再生可能エネルギー分野や地域活性化分野のコンサルティングを展開する傍ら、執筆活動中。著書に『30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと』(ダイヤモンド社)、』『逃げられない世代 ――日本型「先送り」システムの限界』 (新潮新書)など。