統一地方選挙・衆議院補選:メディアに疑問を持とう!

一昨日、統一地方選挙が全て終わりました。
今月の7日に行われたのは11道府県知事、6政令指定市長、41道府県議、17政令指定市議の選挙が行われました。そして、一昨日21日に行われた後半戦は59市長、283市議、11東京特別区長、20区議選、66町村長、282町村議の選挙が21日に行われました。

よく「議員のなり手不足」と最近は聞かれますが、確かに、今回行われた町村議会では立候補者数が最少となり、無投票で当選した人は合わせて988人で、定員全体に占める割合は23.3%と、記録が残っている昭和26年以降で最も多い数字になりました。また、市長選の無投票の割合は31.4%とこちらも高い割合でした。

以前お伝えした高知県の大川村では、議員のなり手がいないから、議会を廃止し、「町村総会」の検討を始めましたが、今回定数6人に対して7人が立候補して選挙が行われました。大川村は人口が406人(2月末日現在)で、有権者数が360人ぐらいの小さな村ですが、20代や30代の人が今回は立候補して当選しました。

一昨年私が大川村に訪れた時に会った、群馬から「緑のふるさと協力隊」で大川村に派遣され。その後村出身の女性と結婚をし、大川村に移住した28歳の和田将之さんも立候補をして当選しました。和田さんを含む移住者2人が当選した今回の選挙、外から来た人が議員をやることは良いことだと思いますし、ぜひ頑張ってほしいと思います。

さて今回の統一地方選挙に合わせて昨日は衆議院の補欠選挙も行われました。
一つ目は沖縄3区で、玉城デニー知事転出に伴う補欠選挙でした。もう一つは、大阪12区で、こちらは自民党現職の死去に伴う補欠選挙でした。沖縄は野党共闘の屋良智弘氏、そして大阪は日本維新の会の藤田文武氏がともに初当選をしました。勝った両名の所属はそれぞれ違いますが、いずれも自民党にとっては2戦2敗の全敗になりました。

ということで、昨日のメディアは朝のNHKニュースから新聞各紙まで野党共闘について扱っていました。「沖縄のように野党が一本化すれば勝てる」という論調でした。

ただ、沖縄の選挙結果は依然として続いている「普天間基地の辺野古沖移設」が国政選挙として全面的な争点になっていたわけで、野党がまとまれば勝てるというのはちょっと違うと思います。

さっき言ったマスコミの論調、果たしてそれでいいんでしょうか。
すなわち、外交・安全保障・憲法といった基本的な価値感がバラバラな党が解散合流をして一つの政党になったら、民主党から分裂した政党がまた民主党に戻るような形になるわけですよね。また仮に政党を一つにしないで選挙協力だけで候補者を一本化したとして、選挙には勝てるかもしれませんが政権を担えるわけではありません。

日頃、「政治家は選挙のことばかり考えている」と批判しているメディアですが、基本政策がバラバラでも候補者を一本化して選挙に勝てればいいというだけならば、これ違うと思います。こういった論調のマスメディアにも疑問を持ちましょう。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年4月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。