人生は「ライフプラン」を考えているだけでは成功しない

日本FP協会理事長の白根寿晴氏が日本経済新聞に「長寿不安 資金繰り表で軽く」という記事を寄稿していたので、日本FP協会のホームページでどんなものなのかチェックしてみました(図表)。ちなみに私は、証券アナリストや宅建の資格は持っていますが、FP(ファイナンシャルプランナー)関係の資格は保有していません。

現在から20~30年後までの資金繰り表を横書きで書き出し、縦には、家族ごとの学校入学や定年といったライフイベント、収入・支出・貯蓄などを並べると具体的な作成方法を指南していますが、果たしてこの表を作ると長寿の不安は解消されるのでしょうか?

少なくとも私にとっては、あまり必要ないと思いました。その理由は2つあります。

1つは、自分の未来が不確実すぎて、見通すことができないからです。

資金繰り表には家族ごとのライフイベントを書くとしていますが、数か月単位で目まぐるしく人生が変化しています。20年先などまったく予想することもできません。作成したものを毎年見直すとしていますが、そもそも現時点でスケジュールを書いていくことに、ほとんど意味がありません。

既に安定した生活をしている方は、私ほどではないかもしれません。しかし、それでも例えば子供がいつ大学に入って、いつ就職して、いつ結婚するのかなど予想しても、思い通りにはいきません。

高度経済成長期のような、安定した雇用と、夫婦と子供といった安定した家族構成が当たり前に続く時代はもう終わりました。資金繰り表では変化の大きな多様性の世の中に対応できなくなっていると感じます。

写真AC:編集部

そしてもう1つは、このような資金繰り表を作ってしまうことによって、その数字に縛られてしまうと思うからです。

人生は既存のレールの延長線にあるよりも、そこからジャンプして、今まで想像もしなかった世界に入っていくことに醍醐味があります。ソビエト連邦の計画経済のようなスケジュールを作って、その通りに人生を生きるのは何とも味気ないと思ってしまうのです。

かと言って、将来のお金の不安を放置しておけば良いとは思っていません。お金が入ってくる「仕組み」を作って、資金繰りを安定させることは大切なことだと思っています。

資産デザイン研究所が主催するこちらのセミナーやこちらのセミナーでは、具体的な未来のお金の不安の解消方法を学べます。

資金繰り表を作ってあれこれ悩んで資産運用をいつまでも実践しないなら、取り敢えず始めてみて「走りながら考える」方がずっと良い結果になると思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年5月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。