市議会議員選挙は国政選挙よりも簡単? --- 大橋 智洋

前枚方市議会議員の大橋ともひろです。この4月の統一地方選挙には立候補しておりませんでしたが、政治活動は継続し、今後どのように地元枚方に貢献できるか模索しています。

ぱくたそ :編集部

統一地方選挙も終わり、まちも候補者も少しずつ落ち着きを取り戻している頃です。

さて、国政選挙に比べたら、市議会議員選挙は楽であるとか、当選しやすい、という話をよく聞きます。

市議会議員くらいやったら貴方もなれるよ!なんて言われたことはないでしょうか。

もちろん、どんな選挙も楽な選挙はありません。これは大原則ですが、ただ、国政選挙よりも市議会議員や町村議会議員選挙の方が大変な面もたくさんあります。

例えば、僕の地元の枚方市議会。定数32に対して48名もの立候補がありました。16名の方が落選してしまいました。

市議選の最も大変なところは、支援者や有権者が、「かぶる」ことです。

これだけたくさんの立候補がありますと、多くの場面でこの「かぶり」が発生します。

仮に、僕が立候補をしたとして、A君という親友がいたとします。これまで同じ価値観で行動してきたとします。

僕はA君とは親友で同じ価値観を共有しているため、絶対に投票してくれると確信しています。

しかし、A君現在、地元小学校のPTAの役員であり、同じPTA仲間にB候補がいて、一生懸命A君を支えてくれています。

はたまた、職場にはC候補の配偶者が働いており、仕事熱心であるだけでなく、仕事面でかなり助けてくれています。

その職場に通勤する道すがら、毎朝駅にはD候補が演説をしています。なんかとても頑張っておられ、無下にはできません。

最近知ったことに、新人のE候補が、A君の遠い親戚筋に当たるそうです。面識はないものの、なんだか他人とは思えなくなってしまいました。

もちろん、A君からすれば、そんな関係をわざわざ僕に伝えることもないでしょう。最後まで誰に投票するか迷っているかもしれません。

要は、支援者が「かぶる」とはこういう状態のことを言います。もしかすると僕もB候補からE候補も全員が、A君はきっと自分に入れてくれるだろうと思っているかもしれません。

また政策で選べばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、市議会議員のような身近な存在となると、人物や人柄もかなり重要な要素になってきます。また、憲法や国防といったイデオロギー的な対立は市政には案外少ないという側面もあります。

そうするとこうした選挙では人間不信になってしまうかもしれません(笑)

国政などでは、そもそも立候補者も少なく対立軸がはっきりしていることもあり、有権者の方もわかりやすい部分があります。あっちもこっちも、というような「かぶり」は稀です。

ともあれ、大変な選挙戦を戦われた皆様、大変お疲れさまでした。

大橋 智洋 前枚方市議会議員
大阪市立大学法学部卒業後、法務省で保護観察官として少年非行問題や仮釈放審査に関わる。その後枚方市議会議員2期8年務め現在40歳。無所属。