北方四島を訪れた「戦争」発言が波紋を呼び、除名処分となった丸山穂高議員ですが、日本維新の会は、丸山先生に対し除名処分で切り捨てて終わりにしてしまうのではなく、必ずなんらかの適切な支援先につないでいただきたいと思う次第です。
今回の戦争発言は、もちろん看過できるものではなく、北方四島返還に全精力をささげてこられた方々にすれば、これまでの努力をぶち壊しにされ、許せない気持ちでいっぱいかと思います。場合によっては議員辞職やむなしかと思います。
私としては、ギャンブル依存症に関わるパチンコ問題でよいご質問をしてくださっていたこともあり、お会いしたことはございませんが、常に注目していた議員のおひとりでしたので、今回の騒動はとても残念に思っております。
これだけの問題を引き起こしたのですから、今度こそ丸山議員はお酒の問題に真摯に向き合うべきだと思います。
2015年にも一般市民にかみつくという飲酒トラブルを起こし、そこから断酒を約束していながら、再び今回の問題を引き起こしたということは、アルコール依存症も疑われます。
そもそも記者会見の場に国会議員が酔っ払って現れるということは、自分の意志だけではやめられなくなっていると推測されます。このままバッシングされ、もしかして職も失うことになったら、ますます孤独に陥り、お酒が手放せなくなってしまうでしょう。そうなると第二第三のトラブルが起こり、社会はなんらかの被害を被るかもしれません。
しかしながらこのピンチにきちんと治療を受け、そして地域の断酒会もしくはAAにつながれば、再起は十分あり得ます。それが議員という形になのかどうかは、今は分かりませんが、いずれにせよ丸山議員はまだ35歳の若さですから、何らかの形で再起し、これから長い人生を生きていかねばなりません。そしてそれはお酒なしの人生でなくてはならないと思われます。
そして維新の先生方は、ここで除名処分と切り捨てるだけでなく、丸山議員に対し責任をもって治療につなげ、日本社会における企業の在り方に対し、範を示して欲しいと心から願う次第です。
日本の企業は、アルコール、薬物、ギャンブルで社員が問題を起こした場合、切り捨てておしまいです。
その後のことなど誰も知ったこっちゃありません。では、その人たちはその後どうなっていくのか?
もちろん家族は巻き込まれ、どん底に突き落とされていきます。
だからと言って本人の問題が止まるかと言えば止まりません。むしろますますひどくなります。自暴自棄になって自殺に至ったり、犯罪につながるケースもあります。
切り捨てるだけで終わりでは、社会にリスクと負担を押し付けているのです。
この状況を我々は常に憂い、状況の改善を訴えて参りました。
今回は、国会議員の問題ですから、日本維新の会は国民に対し、「周囲にアルコール、薬物、ギャンブルの問題があったらどうあるべきか?」という姿勢を自ら示して頂きたいと思うのです。
丸山議員はTwitterで、
朝方、離党届を提出し、先ほど党紀委員会等にて除名処分となりました。虚心坦懐にその処分を受けとめるとともに、これより先の期間は無所属にて活動する中で、残りの政策の実現に向けて一つ一つ前に進めてまいります。重ねて今回の件でご迷惑やご心配をおかけした全ての皆様へ心からお詫び申し上げます。
とおっしゃっていますが、これこそ典型的な「否認」に見えます。
依存症者は、毎回反省し「今度こそちゃんとやる!」と毎回誓います。そういうまともな意思を持てるのだから、自分は病気じゃない!と思う…それが否認です。このTwitterを拝見し、「危ない」と私は逆に思いました。
維新の先生方には、私ともつながりのある先生方が多数いらっしゃいます。
もしよろしければ丸山議員を説得し、一度私とお引き合わせいただけないでしょうか?
私が介入し、断酒会でもAAでも医療でも適切なところにおつなぎします。
ご本人はその必要はないと思われるはずです。だからこそ周囲の先生方が手助けください。
治療につなげることは病気に逃げるわけでも、甘やかすことでもありません。
社会的責任については、国民の声に従うべきだと思います。
その上で、治療につなぐことが、党としてもご本人としても、責任を全うすることだと思います。
カジノを推進する維新の先生方には、依存症対策の範を示す義務があると私は思います。
どうか維新の先生方、ロールモデルとなってください。
お願い致します。
田中 紀子 公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト