誰もがうらやむ蜜月の日米関係

トランプ大統領ご夫妻訪日のニュースは尽きないようですが、一部にはいろいろつまらないことをいう人もいるようです。

トランプ大統領ツイッターより:編集部

共産党の小池書記局長は日米貿易交渉に関して8月に何か大きな発表ができる、という点に関して「参院選対策でアメリカに口止めしたのではないか」、立憲の枝野代表は「天覧相撲でも2階から見るのになぜ升席なのか」、はたまた立憲の辻本氏に至っては「トランプ氏は観光旅行で日本に来るのか。安倍晋三首相はツアーガイドか」(以上産経要旨)と述べています。ここまで言うとこの方の性格のひねくれ方は私の家のドライヤーのコードと同じ(直しても直してもすぐよじれる)かもしれません。

テレビでもフジテレビ系の「バイキング」で東国原英夫氏が貿易交渉スタンスについて日本はTPP11と同程度の水準で妥協を狙っているのでは、という見方に「トランプ大統領はそんなこと聞かない。それだったらTPPに入ってますよ。二国間で(交渉)するってことは、農産物の関税をタダにしろ、それで自動車は25%(の追加関税を)取るぞと」とトランプ大統領の交渉内容が強気であると強調。すると司会の坂上氏が「そしたら(日本はアメリカの)舎弟だよ?」などと大統領に対し、批判的ともとれるコメントを繰り広げた、(リアルライブより要約)と報じられています。

東国原氏の論点は違います。トランプ氏は多国間交渉が嫌で常に二国間でベストディールを引き出すことを目論んでいます。それは多国交渉間になると双方の国のインタレストを最大限にアピールできず、必ず妥協の産物になりかねない点、および、自分の短い任期中に最大限の成果を上げるというアメリカ短期効率主義が背景です。司会の坂上氏においては受け狙いのつもりかもしれませんが、フジ サンケイ グループの放送において風上に置けない発言です。

今回で安倍氏とトランプ氏は5回目のゴルフ外交をしています。トランプ氏との外交においてゴルフを5回もできる人はいません。時間がかかるゴルフを一緒にするのはよほど気が合わないとできないものです。では他にゴルフ出来る首脳はいないのかといえばゴルフをする理由が立つ国でないとなりませんが、そうなると日本やイスラエル、英国といった主要同盟国で長く安定した歴史が背景にあることは要件でしょう。

その育まれた蜜月関係から今回、イランに関してアメリカが日本に仲介を求めたように見て取れます。安倍首相は北朝鮮問題についてアメリカにお願いをしてきたわけですが、イランについてはトランプ大統領からその手助けを求めたとすればこれはかつてないほど大きな意味合いを持ちます。

日本はキリストでもユダヤでもイスラムでもないという宗教背景とイランとの外交関係は悪くない点からの話だろうと思いますが、素晴らしいことではないでしょうか?アメリカ外交の一部を手助けするようなそんな日米外交史は私の記憶にはありません。

一昨日、自民党の二階氏が野党に政権が移ることはない、と断言していましたが、日米関係を安定的かつ、発展的にしてきたのはもちろん首相の個人的アピールもありますが、ぶれない組織力がその背景にあることを見逃してはいけないでしょう。

トランプ大統領が到着初日にビジネス界の代表を集めたアメリカ大使館内でのパーティ。あの招待者リストをじっくり見ていると「ははーん、政治だな」と思わせるところがあります。例えば大手商社が一つだけ抜けています。なぜでしょうか?なかなかそういう点はシビアなんでしょうね。

今回のトランプ大統領の訪日で指をくわえているのが韓国の文大統領でしょう。結局G20のあと、トランプ大統領が韓国に行くことになったようですが、文政権は「死に体」になりつつあります。あらゆることで八方ふさがりの中、トランプ大統領が何を述べるのか、むしろ、楽しみになってきたとも言えます。

外交は一日にしてなりません。長い関係の中で一つだけの事象を取り上げてしまうと正しい判断はできなくなります。その中でオバマ前大統領は広島で献花しました。トランプ大統領は令和初の国賓として来日しました。日米関係は着実に発展するとみています。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年5月28日の記事より転載させていただきました。