スマホの普及、インスタなどのSNSの流行で、写真を撮る機会は昔よりも格段に増えた。しかし、「写真に写った自分がかわいくなくてショックを受けた」「緊張して変な顔になる」「自撮りが苦手で、どうやっても上手に撮れない」とった悩みも少なくない。
今回は『自分史上最高にかわいく写る シンデレラ・フォトレッスン』(サンマーク出版)を紹介したい。著者は、フォトグラファーの渕上真由さん。年間100回以上のセミナー・講演も行っている。また、「写真の撮り方」だけでなく、のべ1万人以上を撮影した経験と、科学的・学術的な根拠から「写真の撮られ方」についても教えている。
■カメラマンには特別な技術がある?
私たちは光がないと生活ができない。写真の材料は光である。「photograph」という言葉は、光(photo)の図(graph)という意味だと渕上さんは解説する。
「写真は、光で描いた絵。だから、写真の材料にキレイな光を使ったら、キレイに写ります。いい素材を使ったら、おいしい料理ができるのと同じです。キレイな光は、すべてを美しく写す魔法の光です。キレイな光で撮ると、しわもシミも写りません。肌がなめらかになり、くすみがなくなります」(渕上さん)
「光で目を輝かせたり、髪を艶やかにしたりすることだってできます。輝くプリンセスは、光を味方にすることができる人です。『まったく同じ機種で、同じ画素数で、同じ機能のカメラを使って撮っているのに、なぜプロのカメラマンはキレイに撮ることができるの?』と疑問に思ったことはありませんか?」(同)
カメラマンはカメラの機能をすべて知り尽くしているからキレイに撮れるわけではない。実は、カメラマンは、キレイな光を操っていた。それはどのような意味か?
「室内で撮影するときは、太陽の光のなかからキレイな光を見つけ出します。外で撮影するときは、人をキレイにする魔法の光を知っているのです!ではどうしたら魔法の光が扱えるのか、知りたいですよね」(渕上さん)
■ポイントは太陽の恵みを授かること
魔法の光とは、ひと言で言うと、「太陽の光」を味方にすること。つまり、太陽の恵みを味方につけることで光の魔術師になれるのである。
「具体的に言うと、『太陽の出ている時間の明るい日陰』『大きな窓があって光が降り注ぐ場所』『白いレースのカーテン越しの窓際』。これらの条件だと、やさしい印象で撮ることができます。さらに、まわりが白い壁や白い床だと、光が反射して『レフ板効果』を得られます。ただし、1つ気をつけたいことがあります」(渕上さん)
「光源、つまり太陽が真上にあるときは、写真を撮るのは絶対にダメ!太陽が真上にある時間帯(11時から13時ごろ。とくに夏)の直射日光は要注意。目の下にクマのような影が入ったり、鼻の下やあごの缶わりに泥棒ヒゲのような影が出たりしてしまいます。また、ニキビなどに影ができて肌荒れも立ち、実際よりも老けて見えてしまうのです」(同)
渕上さんは、真上からの光を「ブサイクな光」と呼んでいる。この機会に覚えておきたい。本書では、写真に撮られる前の心構えから、キレイにかわいく写るためのテクニック、おしゃれな自撮り写真を撮るコツなどが紹介されている。インスタ映えのプロを自認したいのであれば、本書のテクは必見だと申し上げておきたい。
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※12冊目となる『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)を上梓しました。
[本書の評価]★★★★(80点)
【評価のレべリング】
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し 「レベル0!読むに値しない本」50点未満
※評価のレべリングについて
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)を上梓しました。