「これってモラハラじゃないの?」「男はガマンするしかないのか?」妻との関係に疑問を抱きながら、どうしていいかわからず悩んではいないか。今回は、『心が折れそうな夫のためのモラハラ妻解決BOOK』(左右社)を紹介したい。著者は、夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さん。
9年間で約8000人の夫婦問題カウンセリングをおこなってきた実績があり、相談に訪れる夫が「問題」として挙げる妻を4タイプに分けて問題解決の方法をまとめている。モラハラ度チェックシート、帰宅恐怖症チェックシート、一生幸せでいられる「夫婦のルール」など盛りだくさん。
いくら夫婦でも、何もしていないのにスマホや財布の中を見られるのは、気分の良いことではない。しかし、最近ではこのような妻が多いそうだ。夫の悲鳴が聞こえてくる。
(高草木さん)「奥様が『してもいない浮気を疑う言葉』を大声で言いだすということですが、もしかして以前に、『浮気を疑われることをしてしまった』ということはないでしょうか。ご自分のなかでは『浮気ではない』と思っていても、奥様は『浮気』という認識の場合もあります」
(同)「人によって『浮気の定義』は違ってきます。体の関係、がある場合は、 確実に浮気なのでしょうが、『女性と手をつないだ』『2人きりで食事に行った』ということでも『浮気』と捉える妻は少なくありません」
スマホに女性の名前を登録しているだけで、浮気と決めつける妻もいるそうだ。そういえば、私の学生時代の知人の妻が、モラハラ妻だった。メールの着信で女性の名前が表示されるだけでパニックになるので、会社名で登録していると言っていた。当時は、なんでそんなことをするのが理解できなかったが、本書を読むとよく理解できる。
(高草木さん)「そういったことも身に覚えがないという場合は、『帰宅時間が遅い』『ほとんど会話をしていない』『セックスレス』など、奥様を不安にさせてしまうような出来事がなかったか考えてみてください」
(同)「もし思い当たることがある場合は、浮気への言い訳や説明はせずに、『浮気はしていない』という事実だけを伝え、奥様を大切に思っていることを言葉や行動で伝えてみてください。きっと、大声で不満をぶつけられることはなくなりますよ」
夫の立場からすると、居心地が悪いから、帰宅時間が遅くなり、会話をしなくなり、セックスレスになるのだが、まずは女性の思考について理解しなければいけない。本書では、夫婦のすれ違いの実例を示し、その原因を説明し、さらに解決する方法を解き明かしている。夫婦のみならず、仕事上、プライベートにおいても参考になると思われる。
[本書の評価]★★★(75点)
【評価のレべリング】
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し 「レベル0!読むに値しない本」50点未満
※評価のレべリングについて
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
『3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)を出版しました。