面倒くさい自慢をする人にキク「最強の対処法」

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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世の中には様々な「面倒くさい人」が存在します。その一つ「ひたすら自慢をする」という行動があげられるでしょう。私は比較的、他人の自慢には寛容な方で「おおっ、それすごいな」と思えるものなら、ドンドン自慢してほしいと思うタイプです。しかし、困るのは自分の承認欲求を満足させるためだけにされる、「受ける側が精神的消耗をする自慢」と、全然自慢にならないことを嬉々として見せつけられる「自慢の価値がない自慢」です。

acworks/写真AC:編集部

このような自慢に対してどのように心の処理をし、そして対処すればよいのでしょうか?

そんなことを考えていたので、ついついツイートで変なことをつぶやいてしまいました。

そして興味深いことに男女で自慢のパターンと言うか、やり方が異なる点が面白いと思えます。

男性型の自慢パターン

男性的な自慢パターンとしては、「自分自身の能力を誇示する」という特徴があるでしょう。乗っている車が高級車である、高収入である、高学歴である、勤務先が大企業であるなど、「自分自身の能力の高さを誇示することができる」、そんな自慢をする場合が多いのではないでしょうか。

男性は自身の社会的な価値の高さを「強さ」で示そうとすると考えます。「昔はワルでこんな警察沙汰になった」という、女性が聞いてもドン引きするしかないような話をするのは、まさに自分の強さを示すエピソードと話し手である男性が考えているからです。

私が過去に受けた男性からの自慢被害は、いずれも上述したものばかりでした。懇親会にいくと「自分はお金をこれだけ稼いでいて、こんな能力の高さがあって」ととにかく自分の能力の高さを示す人がいて閉口したものです。そうした過去の体験レベルではありますが、男性型の自慢パターンとしての事例が以上です。

女性型の自慢パターン

そして興味深いことに、男女では自慢パターンが異なるように感じます。女性の自慢パターンはズバリ、「自分の所有物」を自慢するのです。知人、家族、配偶者が優れていることをPRすることで自慢をするわけです。

私が実際に受けた女性からの自慢被害は、「私の親戚は○○のTV番組に出演しているの。すごくない?」や、「結婚した夫は超高学歴で年収も多い。普通の人ができないことをサラリとこなす人で、自分はコンプレックスを感じている」といったものでした。こうした話を聞かされても、私は男性だからか最初は自慢と気づかないことがあります。しかし、何度も何度も同じ話を聞かされたり、「すごい知人」「すごい親戚」が何人も登場して、すごいエピソードを聞かされると、「ああ自慢なんだな」と分かることがあります。

しかし、不思議なのはすごい知人や家族の話を聞かされても、話している当の本人の能力が優れているわけではないのに自慢だと考える思考です。「自分の知人や家族を誇る→そんな人達と付き合っている自分はすごい」という思考になるのかは未だによく理解できません。「虎の威を借る狐」という言葉が当てはまるのかもしれませんが、どれだけ知り合いがすごいと言われても、その話をしている本人に尊敬の念を送るという発想にならないのです。もしかしたら、これは心理の違いによるものなのかもしれません。

自慢への間違った対処法

会話が盛り上がるような自慢なら大歓迎ですし、本人が誇るのは納得の行くくらいすごい話でしたら私は自慢を楽しめてしまいます。

たとえば、お金持ちの知人が「あちこち都心を移動するのはムダだから、東京のど真ん中に住んだらすごく便利になった」という話を聞かせてくれ、住んでいるマンションについて教わった時は非常に面白いと感じました。人によってはこうした話を脊髄反射的に「なんだ、自慢かよ」と取る人もいるかも知れませんが、私は自慢とは感じず「東京の本当のど真ん中に住む」という経験がないので、具体的な利便性についてもっともっと教えてほしいと思ってしまいます。

しかし困るのは、こちらがすごいと思わない話を嬉々として押し付けられる時です。「昔はワルで警察のお世話になった」という話はただただドン引きするだけです。そして、「私の夫は高学歴で~」というのも、私にも高学歴な知り合いはそれなりにいるので、世間的に良い大学に入学しただけでは、珍しさもないのでとりわけすごいと感じることができません(最難関大学の入試トップ合格とかなら別ですが)。

そんな時、やってはいけないのが「自慢で応酬する」という対応です。そもそも自慢をしたい人は承認欲求に飢えているわけですから、その承認欲求を上塗りするようなさらなる自慢をしても、ただただ嫉妬の業火に焼かれてしまうだけなのです。恨みを買うだけで、距離が離れてしまい、さらに周囲の人も自慢で応酬するという大人気ない対応に引いてしまうでしょう。かといって話題を強制的に変えたり、つれない対応をしても相手を燃え上がらせてしまう結果になることも少なくありません。

個人的に褒め殺しはかなり有効

私がこれまでの人生経験で感じたことは、「褒め殺し」です。本当にすごいと思う話なら、意図せず褒め殺してしまっているかもしれませんが、「別にすごくもなんともないな」という話については意図的に褒め殺します。そうすると相手も気分が落ち着き、悪印象を持たれることもありません。また、本人以上に大事にしなければいけない人が、周囲にいた場合も心証を害するリスクもないわけです。

そしてこの褒め殺しは、思わぬ副産物を得ることがあります。私がお世話になっているネットビジネスマンから聞いた話によると、「相手を持ち上げておけば、気分を良くして奢ってもらうことが出来る」というのです。これにはポンと膝を打つ思いをしたものです。

もう少し付け加えておくと、すごいと思わない相手の話を褒め殺す時は薄っぺらい対応をすると効果的です。「すごいですね!」しか言わず、具体的に何がすごいのか?をいいません。そうすると自慢している方は「自慢して欲しい」という欲求は叶っていますが、深い共感を得られない事に物足りなさを感じるでしょう。

本来は、何がどうすごいのかをしっかり共感するところですが、あえてそこをしないことで「ああ、この人は社交辞令で言ってくれているだけで、真意の凄さは分かってもらえないんだな」と軽い失望を覚えて、それ以上の自慢を諦めたくなるのではないでしょうか。

自慢に応酬したり、つれない態度を取るとますます一生懸命自慢をする人がいますが、社交辞令で言っているのが透けて見えた時にはあっさり諦めるものです。私はこの方法で、自慢被害を最小限に抑えるようにしています。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

■無料で不定期配信している「黒坂岳央の公式メールマガジン」。ためになる情報や、読者限定企画、イベントのご案内、非公開動画や音声も配信します。

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。