諸事情ございまして(?)、昨日から結論は存じ上げておりましたが、朝日新聞が6月14日の朝刊で報じておりますので、ひとことだけ。
一昨日のISSの推奨意見に続き、グラスルイスのレポートが関係者に届けられました。結論からすると、ISS以上に株主側提案(株主側の推薦する取締役選任議案)に厳しい意見です。1号議案賛成、2号議案賛成、3号議案分離(8名中3名賛成、5名反対)ということで、会社側が推薦する取締役候補者については全員賛成とのこと。
ISSの意見と同様、グラスルイスの意見も「ガバナンス上の問題は重大だが、多様な経歴を持つ社外取締役のもとで取締役会の機能再生が期待される」ということと「瀬戸氏の就任後の業績に関する問題」ということのようです。
私はどちらかを応援しているつもりはありませんが、取締役会とCEOの関係(社外取締役に期待された役割を含め)、CEOの執行責任に関する徹底した審議など、あらためてコーポレートガバナンスの在り方をグローバルな視点から考察する必要があるように思います。
山口 利昭 山口利昭法律事務所代表弁護士
大阪大学法学部卒業。大阪弁護士会所属(1990年登録 42期)。IPO支援、内部統制システム構築支援、企業会計関連、コンプライアンス体制整備、不正検査業務、独立第三者委員会委員、社外取締役、社外監査役、内部通報制度における外部窓口業務など数々の企業法務を手がける。ニッセンホールディングス、大東建託株式会社、大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社の社外監査役を歴任。大阪メトロ(大阪市高速電気軌道株式会社)社外監査役(2018年4月~)。事務所HP
編集部より:この記事は、弁護士、山口利昭氏のブログ 2019年6月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、山口氏のブログ「ビジネス法務の部屋」をご覧ください。