「日本っていつ誕生したの?」「天皇ってどういう存在?」「神社とお寺の違いは?」。私たちがなにげなく過ごしている日常には、知らないことがたくさんある。
新しい元号になり、新しい時代を迎えた。来年は、東京オリンピックも控えている。これからますます注目される「日本」のことを改めて学ぶよい機会ではないか?
今回は、『古事記で謎解きほんとにスゴイ!日本』(サンマーク出版)を紹介したい。著者は、イラストレーターの「ふわ こういちろう」さん。「日本大好き」「神社大好き」という著者が、古事記をベースに日本と日本人のルーツを紐解いていく一冊である。
初詣に、神社かお寺に行く人が多い。なかには、自分がどちらに行っているのかわからないで参拝する方もいる。日本人は宗教観がとても薄く、仏教だってキリスト教だって受け人れてしまう不思議な民族。七五三で神社ヘ行き、お盆休みにお墓参りをして、クリスマスに盛り上がる。宗教バラバラだが“違和感を覚えない人”が多すぎる。
ふわさんは次のように解説する。「簡単に分けると、神社は『神道』、お寺は『仏教』です。神道というのは日本古来のもので、宗教というよりも『文化』の意味合いが強いと思います。八百万の神といって、あらゆるものに神様を感じ敬います。もちろん、古事記に登場する神様もそうですが、大自然を神様ととらえます」
(同)「太陽、木、水、風、火、土、海、山、雨、雷、田んぽ、お米などの。さらに、人が作った人工物でさえも、家の神、かまどの神、剣の神、トイレの神となります」
世界にはたくさんの国がある。国連加盟国は、193か国あるが現存ずる最古の国が日本である。「エジプト」「中国」の名前をあげる人がいるかもしれない。エジプト・アラブ共和国の建国されたのは1922年。中華人民共和国が建国されたのは1949年である。どこの国にも、土地の歴史をさかのぼればさまざまな国があり、歴史が存在する。
(ふわさん)「知人に外国の方がいたら聞いてみてください。『あなたの国が建国されたのはいつですか?』ってね。『日本は神武天皇から2019年で2679年続いています』って言ったらビビりますよ」
日本最古の歴史書『古事記』を紐解けば、いままで知らなかった「本当の日本」が見えてくる。古事記・歴史・神社をテーマに日本のことを改めて紹介するのが本書の特徴でもある。まんがとイラスト満載で、「誇らしい日本の歴史」が学べるだろう。
[本書の評価]★★★★(80点)
【評価のレべリング】※標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し 「レベル0!読むに値しない本」50点未満
さて、14冊目となる『3行で人を動かす文章術』を上梓した。正しい文章を書きたい人には役立つ内容ではないかと思われる。
尾藤克之(コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員)