私の参院選争点:日本の成功体験を捨てるところから --- 森 一夫

寄稿

争点は様々あるかと思いますが、日本の様々な問題点全てに共通している時代遅れの日本人共通の潜在意識について、明確に提示しなければ日本は前に進めないのではないかと考えています。日本の成功体験といえば、人口ピラミッドが綺麗な山型であった戦後の高度成長期で人口がどんどん増えていた時代ですが、その時のイメージにとらわれていないでしょうか?

写真AC:編集部

一戸建てを建てると一国一城の主人なんて煽てた時代もあります。一流大学を出て一流会社に定年まで勤めあげ、退職金をもらい、年金をもらい、老後は子供に従う…そんな時代は過去の話になりました。

そんなよき?時代の名残が意識の底にあるからでしょう。そんな意識を利用するかのように、昭和の住宅不足の時代そのままの住宅政策を今も続けています。今は空家が問題になっているのにもかかわらず国民に住宅ローンという重い税を課しています。住宅ローンから解放し、その一部でも自身の人生を豊かにすべきと考えています

今は定年が70歳まで延長というような議論がありますが、これからは定年は40歳、新入社員は学生を一括採用の終焉、社員の解雇も可能(金銭解決)、退職金の減額、そんな時代がやってくる過渡期なのではないでしょうか?

若いうちは安い給料で年齢が上がるにつれて給料が上がって行くという給与体系をベースにした終身雇用制度、
年功序列、正社員、非正規社員などは早晩なくなるものと感じています。

時代も世界もビジネス世界もこうした世界に向かって、急速に進んでいます。
こうなって初めて同一労働同一賃金が実現され、優秀であれば高齢者であれ、若者であれ、適正な給与をもらう世界がやってきます。今の「あなた」が何ができるかが、唯一の評価基準になる時代がきます。

こういった状況の中では、今の年金制度では成り立たないはずです。高収入の人は高い納付額、低い人はそれなりの納付額を収め、高齢者でも高収入の人は年金支給は無く(又は低く)、低収入の高齢者には必要な額を給付する仕組みに変えて行く、そんな政策に変えるべきと考えます

2%の消費税アップで大騒ぎしているこの国が、年金だけは十分?にもらおうとする二律背反、ダブルスタンダードの誹りは免れないでしょう。

野党はポピュリズムに走り自分たちが政権をとれば、年金は一生安心などといい、財源も政策も提示しないまま無責任に、政府の責任ばかり追及しています。

森 一夫   ファイナンシャルプランナーAFP/1級建築士


【おしらせ】「私の参院選争点」論考を募集しています

いらすとや

2019年7月の公募原稿のテーマは「私の参院選争点」です。憲法改正論議が現実味を欠き、年金問題もほぼ沈静化。全く盛り上がらず、投票率の低下が危惧されています。

だからこそ各党や候補者たちに問いたい「あなたの争点」は何でしょうか。21日の投票日に向け、アゴラではあなたの論考をお待ちしています。

掲載については20日までとし、原稿の受付は17日までといたします。

投稿は800〜2000字。お名前・ご所属・肩書・簡単なプロフィール(100字程度)などを記載して、メールに直接書いていただいても、テキストファイル、ワードファイルの添付でも構いません。原則実名制で、ペンネームの使用は認めておりませんが、著述活動の実績等で特例を認めることもありますので、編集部にご相談ください。

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