先日、モーニングクロスに出演し、そこで「男性育休義務化」についてプレゼンしてきました。
文字起こしをしましたので、今話題の「男性育休義務化」を知りたい人は、読んでみてください。3分くらいで読めます!
書き起こし許可いただいたモーニングクロスさん、ありがとうございました!
堀:オピニオンクロス、駒崎さん、テーマ発表お願いします!
駒崎:はい!
堀:「男性育休義務化は日本を救うか」
宮瀬:先日5日、男性の育児休業取得を企業に義務付けることを目指す議員連盟が発足しました。男性の家事・育児参加を促し、女性活躍推進や、少子化対策につなげることが狙いということです。
堀:さあ、これあの、男性育児休業に関しては与野党を超えて、政治家のみなさん共通の課題としてステージ上げてきました。
駒崎:そうですね。
堀:ここまでやっと来たと。
駒崎:ここまで来たというところなんですけれども、その話をする前に、ここで非常に大切なことを申し上げなければなりません。それは、堀さんお誕生日おめでとうございます。
堀:笑 ありがとうございます。駒崎さんとっても嬉しいです。いきましょう!
駒崎:はい、この男性の育児休業、なぜ大切なのかと言うのはですね、実は、このデータを見ていただくとすぐおわかりになるかと思います。
堀:夫の家事育児参画時間と第2子以降の出生率はなんと正の相関関係があると。
駒崎:そうなんです。
見てください、実はですね、夫の家事育児時間をみてみるとですね、家事育児時間がない、夫が家事育児全然やっていないというご家庭は出生率が10%しかないんですけど、6時間以上しているよというお家では87%。こんなに違う。
堀:お父さん参画してたら第2子生まれるの8倍近く!うわぁ~!
駒崎:こんなにわかりやすいデータが出てきてしまったんですね。
なんだ少子化って女性の問題だって世間の政治家言うけど、いや、男性の問題もあるでしょ、と。あ、これはやばいと。男性が家事育児参加しなきゃいけないねということで、厚労省「イクメンプロジェクト」が始まっていったわけなんです。
実際、日本人の夫の恥ずかしい状況というのがありまして、日本人の妻は夫の7倍、家事育児をしているんです。国際的に見ても、日本の男性の夫の家事育児参画時間が非常に少ないんですね。
堀:アメリカはマイホームパパっぽいイメージがありますけれど、意外に少ないですね。。。とはいえ(日本の)倍あるんですね。
駒崎:日本全然ダメでしょ。それで少子化とか言ってる。こういう状況があるわけです。
で、さらに、実はですね、こういう非常に怖いデータもあるんです。
実は妻が出産した後ですね、死因のトップは自殺なんです。自殺の要因はなに?というと、産後うつです。ピークは産後2週間なんですね。
堀:ということは、育休を取得する期間とかも抜本的に長期的なものにしておかないと対応できないじゃないですか?
駒崎:そうですね、だからまあ2週間は休む。少なくとも2週間は休もうと。だってこんだけリスクが高くなって、妻が死ぬかもしれないんですよ?っていう状況なんだから、休もうよ、と。「いやぁ、会社が休めないんですよね」じゃなくって。
堀:そうだよね。
駒崎:だから、そこで男性育児休業大切だよね、ということで、これまで国は、私も含めですね、厚労省「イクメンプロジェクト」として、私も座長をずっとやってきたわけです。
堀:厚労省イクメンプロジェクト座長!
駒崎:そうなんです、私、座長なんですよ。
国とともにですね、この男性の育児家事参加を旗振ってきた私が、ここにきて敗北宣言しました。なぜならば、見てください。
これ(赤線)、女性の育児休業取得率なんですが、男性の見てください(緑線)。当初の1%からいま6%に上がってきているんですが、あれだけ頑張ってきて、6%ですよ?
堀:これ、なんで?経営者の問題?
駒崎:そう、そこでなんで?と問いましょう。なぜということが、端的に示される事例が最近ありました。カネカショックです。
堀:ああーーーー!
駒崎:育休取って戻ってきたら飛ばされるというですね、あの報復人事。
つまりこういうことです、職場では男性が育休とったら、「あ、君、昇進する気ないんだね」というふうになるということです。言い出せない、なかなか自分のキャリアを考えるとそんなこと言えない、という状況になる。
だとするならば、これはもう男性育休を企業に義務化しましょうと。
堀:うーん。
駒崎:で、実は今、有給休暇5日間は、企業の義務になっています。
同様に企業は男性に育休を取らせなければならないというふうにすればいいじゃないですか。
今は労働者が言ったら受け入れなければならない。そうじゃない。企業側から「あ、お子さん生まれたんですね、じゃあ育休どうぞ」というふうに、デフォルトを変えてあげればいいよね、ということを言っていて、政策に、アジェンダに徐々に入ってきている。
堀:これ、ぼく、やるといいなーと思うのは、企業にとっても業務の棚卸しになる。要は、フッと休んでも、他の人がパッと入ったら同じようにオペレーションできるっていう非常に効率的な経営改革に繋がっていくわけでしょ?
駒:おっしゃる通りです。
堀:だから僕はやったほうがいいなって思うんですけど、トラウデンさんどうですか?
トラウデン:絶対に必要なことだと思いますし、男性でもきっとストレスは溜まりやすいですし、子供との距離というのもすごく離れてしまう。生まれてすぐの、赤ちゃんのときに愛着・愛情を持てるときじゃないですか。さっきの虐待防止にも繋がりそうだなと思ってて。
駒崎:おっしゃる通りです。
虐待の要因の一つが「母親の鬱」なので、そういったところでちゃんとカバーできるようになれば、おっしゃる通り虐待の予防にもなるし、あとは男性側がここできちんと子育てに参画することで、それ以降も子育てに参加しやすくなるということもあります。
僕自身も2ヶ月の育休2回取ったんですけれども、やっぱり最初からインしておくと、ずっとインしやすいんですよね。
堀:そうなんだけど、2ヶ月なので、周りの方々ってどうなります?
駒崎:じつは、僕、経営者なんですけれども、2ヶ月の育休とって、困ったかっていうと困らなかったんですね。その間にやっぱり社員が育ったんです。
僕の作業を棚卸しできたっていうことで、いいことはたくさんあった。ということで男性の育休取っていきましょう!
編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2019年7月18日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。