筆者は書店によく行きます。そこで最近気付いたことがあります。それは「金もうけ」の本が多いこと。本のタイトルを見るとその多さが分かります。
しかし、本の通りに実践してもお金をもうけることはできないでしょう。精神論でお金持ちにはなれません。
今回は、世界25カ国以上での発売が決定している本田健さんの著書『一瞬で人生を変える お金の秘密 happy money』(フォレスト出版)を紹介します。
私たちが豊かな社会生活を営む上でお金は不可欠な存在です。お金を稼ぐために必死に頑張りますが、一生懸命働いてもなかなかお金はついてきません。あなたは知っているはずです。あなたよりもお金持ち、あるいは裕福そうに見える人たちが、あなたよりも頑張って働いているわけではないということを。
お金があれば人生がよくなると考えている人は少なくありません。お金に対する混乱は、人生を生きるうえでの障害になります。お金から自由になれる人は、人口の数%で60歳以上という統計調査もあります。もし、お金から自由になりたいなら、お金について学び正しい行動をとらなければいけません。
若くしてお金を手にしてもこの先、何か取り返しのつかないことが起こらないとは限りません。セレブや有名人が手にしたすべてのものを失って、多額の借金を抱えたまま亡くなるニュースを目にすることがあります。これは、「お金のルール」が絶えず変わっていることを知らないからだと、本田健さんは言います。
2008年の不動産バブルを考えてみましょう。世間では「不動産に投資しろ」と言われました。ところが、ある日、「お金のルール」が変わりました。住宅市場は下落しました。買った値段の倍で売れると信じて疑わなかった家の価値が半減したのです。
バブル経済も同じです。「バブル崩壊」は、ある瞬間に発生した現象ではありません。「バブル崩壊」が体感できたわけではありません。誰もが、バブル崩壊と気がつかず、数年間をかけて生じてきた社会現象です。1人10万円が相場のすし屋。座って30万円のクラブ。ある日を境にして、「お金のルール」が変わったのです。
これは、仮想通貨などにもあてはまります。10年前、中央銀行を介さない仮想通貨の台頭や資本の形成などは誰も予想していませんでした。いまは、お金の概念そのものが変化しているので、既存の知識が豊富な人ほど理解に苦しみます。全く新しいパラダイムシフトが発生しているのです。ある日を境にして、「お金のルール」が変わったのです。
私たちは、お金の本質を理解しなければいけません。裕福とは何で、貧困とは何でしょうか。どうして人はお金を欲しがるのか、どうやって人に欲しがらせるのか?この機会に考えてみませんか。
[本書の評価]★★★★★(91点)
【評価のレべリング】※標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し 「レベル0!読むに値しない本」50点未満
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※6月6日に14冊目の著書『3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)を出版しました。