今週のつぶやき:NHK vs N国党

岡本 裕明

小泉進次郎さんと滝川クリステルさん、ご結婚、お祝い申し上げます。このカップルは100万馬力発揮するかもしれません。進次郎さんの首相就任は順当にいけばいつかはあり得るとみています。今、38歳ですから安倍首相が退任する頃は40台になっています。諸外国で若い国家元首が増えている中で日本は安倍首相が52歳で歴代5番目の若さで就任しました。ちなみに一番若くして就任したのが伊藤博文の44歳、あとは近衛文麿45歳、黒田清隆47歳、山縣有朋51歳とほぼ歴史上の人物。安倍さんの後継者が今一つ浮かび上がらない中で小泉さんはこてこての自民とは違うという点では面白いのかもしれません。

では今週のつぶやきです。

為替にご注意あれ

円一強と言われています。これを書いているNY時間金曜日の午後は105円台半ばの取引で一押しすれば104円台に突入してもおかしくない状況にあります。理由は日銀の手詰まり感を市場が見透かしたことにあります。黒田総裁は「方法はいろいろある」と豪語しますが、机上の空論的なものを除外すれば実際に打てる対策は限られています。一方、日本ではこれ以上のマイナス金利は心理的抵抗が強くなるため、奇妙な安心感があるのでしょう。

同じような安全通貨スイスフランを発行するスイスではマイナス金利が進んでおり45年債もマイナス。挙句の果てにスイス金融大手USBは残高約2億円以上の個人口座に年0.75%の口座維持手数料という名目の実質的な金利を課すようになります。日本で個人口座の預金に実質的な金利が課せられたら大騒ぎでしょう。

マイナス金利が進む欧州では金利という手数料を払ってでも金融機関にお金を預けるのは「それでも安いコストの保管料」という考え方があるからです。何もせず銀行にお金を預けておけば金利で食べていけるという時代はとっくに過ぎています。これからは銀行はお金の保管庫であり、保管料を払わねばならないとすればタンス預金や金(ゴールド)、仮想通貨を買う人が増えるでしょう。それ以上に投資詐欺が増える気がします。それぐらい日本の小金持ち高齢者は貪欲であります。そんな日本に新標語です。「気をつけよう、おいしい話と高い利回り」by ひろ。

あぁ、決算地獄

4-6月期の決算がピークを迎えていますが、投資家をがっかりさせた決算報告が目につきます。その筆頭がウーバー。4-6月で5550億円の赤字って何ですか?いくら上場にかかる様々な費用計上があったとしてもこれは厳しいと思います。売り上げなどの数字が伸びていないのが最大の懸念です。

メルカリも同様の121億円の赤字となり前期より80億円も赤字幅が増えています。同社は以前から赤字のアメリカでの事業が足を引っ張り「メルペイ」にも費用がかかったとしています。

個人的に一部のITやテクノロジー企業がお金を湯水のごとく使ったり、赤字をなんとも思わなくなっている若手事業者の感性の鈍さに危機感を抱いています。「今が赤字でも市場制覇すれば大きく儲かる」、そんなチャンスは針の穴を通すほど難しい時代になりました。なぜならテクノロジー絡みの新規事業投資そのものがレッドオーシャン化しているからです。ここに投資家が気が付いていないのです。北原白秋の「この道」。歌詞をちょっといじって、「この道はいつか来た道、ああ、そうだよ、バブルの花が咲いている…」。

NHK vs N国党

NHKが受信料制度への理解を求める3分番組を報じたようです。これはN国党の立花孝志党首が「NHKとは契約する、だが受信料は払わない」としている姿勢に絶対に譲れない敵対宣言であります。立花氏の「払わない」について朝日新聞は「受信料は自らが合理的と判断した8割分を支払い、差額分の受信料について債務存在確認訴訟を10月中にも起こす」と報じています。8割とは受信料の支払い率が8割だから自分も8割払うのが合理的だという論理です。

編集部撮影、立花氏YouTubeチャンネルより

立花氏は経理と法律をもっと勉強すべきでしょう。100人に請求を送った時、ある時点で誰も払っていないから0%が合理的、のちに皆が払ったから100%払うのが合理的という理論は小学生でも「おかしい!」と気がつくでしょう。

例えば税をめぐる裁判は洋の東西を問わずよくあります。その場合、当局から言われた税額はいったん全額払い、そこで訴訟なりクレームをするのが世の常識であります。ニュースで巨額の脱税をしてインタビューされた会社や個人が「すでに全額納付させてもらっています」とコメントしているのは不服がある場合、全額納付後に戦闘開始するためです。

立花さんの盟友、丸山穂高クン、頭いいんだろうからそれぐらい助言ぐらいしてあげるべきですよ。それとも立花さんの無謀な論理に丸山クンも唖然としたのでしょうか?東大ではそんな理論、ないですよね?

後記

渋野日向子さん。大したものです。シンデレラですね。我々の世代は「新人類世代」と称されたのですが、渋野さんを表現すると「のびのび世代」になるんでしょうか?日本に戻ってきて今週始まった国内ツアーも初日を2アンダーでまとめ、あれだけの大騒ぎ、本人は寝ていないという中で立派なスタートを切っています。細かいことなど気にせず明るく、楽しく、これって最高ですね。私は大好きです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年8月10日の記事より転載させていただきました。