これで、靖国神社は厄介な問題を抱えることになるのではないだろうか。
寝た子を起こしたようなものである。
安倍総理がいよいよ本格的に憲法改正の発議に取り組もうとしている時に、靖国神社側から宮内庁に対して天皇参拝の要請をしたというのは、どうも軽率だったようである。
平成から令和の時代に転換したのだから何としても天皇に靖国参拝をしていただきたいという願いを靖国神社側が持つのは自然のことではあるが、宮内庁がおいそれとこれを承諾するはずがない。
既に昭和天皇の時代に天皇のご意思で参拝が見送りになったという経緯を知っておられる方であれば、天皇の靖国参拝問題が如何にセンシティブな問題であるかはご存じのはずだが、今の靖国神社の方々はずいぶん軽く考えておられるようだ。
終戦記念日を目前に控えて、またまたA級戦犯問題や東京裁判問題を引き摺り出すことになる。
A級戦犯の分祀問題や靖国神社の国営化問題が出てきた時に、靖国神社側としてはどう対処するつもりだろうか。
いやはや。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年8月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。