8月19日、日本経済新聞朝刊の27面に都道府県議会の活力度ランキングという記事がかなり大きく取り扱われていました!
とはいえ、ランキングを作る以上かなり多くの項目についてしっかりとした調査をしていましたので、新聞記事では到底書ききれない分量です。実際にその詳細が出ているのは、日本経済新聞社が毎月第1・3月曜日に発行している日経グローカルです。※年間予約購読の専門誌で書店店頭ではお求めになれません。
実は日経グローカルに現在「中田宏の直言」という連載をしています。
私は見開き2ページで、「投票案内など選挙の当たり前 議論することで生まれる工夫も」というタイトルで記事を掲載しました。
その後の総勢25ページにも及ぶ大型特集として「議会活躍度」が掲載されています。さて、その議会活力度ランキングとは、ランキング上位に、「活力がある」「活躍度が高い」という議会が並びます。
上位ベスト3
第3位が兵庫県
第2位が鳥取県
第1位は三重県
でした。
調査項目は100点満点で4つにわかれます。
まずは、『住民に対して議員定数が多いか少ないか」「女性議員の数が議会において多いか少ないか」「費用弁償、いわゆる交通費が実費で渡されているか、1日1万円などの定額で渡されているか」。これらの基本事項に25点が配分されています。
それから「政務活動費(よく皮肉を込めて政活費なんて言われている費用)の公開有無」「領収書の添付義務、および収支報告」「議会の議事映像の公開有無」、それから議案に対して賛成したか、反対したかがわからない議会もありますが、こうした「議員の議案に対する賛否などの情報公開」です。これらに22点が配分されています。
さらには「議会への住民参加」に18点、「議会の運営」に35点が配分され、合計100点満点でランク付けされています。
採点項目
○議員定数の適正
○議会における女性議員数
○費用弁償の適正
25点(満点)が配分
○政務活動費の収支報告
○議会議事の映像公開
○議案の賛否
22点(満点)が配分
○住民参加
18点(満点)が配分
○議会運営
35点(満点)が配分
総合計100点満点のランキング
全国のトップ、三重県は単に知事に質問するだけではなく、党派・会派を超えて議員同士の議論が活発でした。また、高校生との議会をやっているなどで評価が高かったです。2位の鳥取県は議会情報の公開に極めて積極的ということでした。
この1位・2位には、熱心な知事がいたということもあるかもしれません。
3位の兵庫県は政活費に関して、皆さんの記憶に残ってる例の号泣議員がいたのに、なぜ3位?と思うかもしれませんが、その野々村議員が有罪になった事が転機となり、議会改革が行われたからでした。事件までの兵庫県議会は政活費を払いっぱなしだったのに対し、領収書の添付義務と、事後精算にかわりました。領収書添付による事後精算という仕組みを導入しているのは、兵庫県議会の他には徳島県議会だけで、他の自治体は相変わらず現金の渡し切り、さらにはその費用の使途非公開の議会すらあります。
こういうことこそメディアがしっかり調査して国民に公表して欲しいものですし、今回のランキングを作成するにあたり実に細かく調査した日経をさすが日経だと思いました。ネットはどうしても一方的な情報になりますが、こういう手間になることをこれからも続けてほしいと思います。
新聞には上位20位が掲載されていましたが、下位はどうなっているのでしょうか。
ワースト3 和歌山県
ワースト2 岡山県
そして活力がないワースト1は・・・香川県
皆さんの街はどうでしたか。
都道府県議会の「議会活力度ランキング」
1位 三重県
2位 鳥取県
3位 兵庫県
4位 大阪府
5位 神奈川県
6位 京都府
7位 長崎県
8位 東京都
9位 徳島県
10位 滋賀県
11位 沖縄県
12位 岩手県
13位 奈良県
14位 宮崎県
15位 山梨県
16位 高知県
17位 長野県
18位 宮城県
19位 群馬県
20位 広島県
21位 静岡県
22位 大分県
23位 愛媛県
24位 秋田県
25位 茨城県
26位 山形県
27位 福井県
28位 福岡県
29位 富山県
30位 鹿児島県
31位 島根県
32位 福島県
33位 北海道
35位 埼玉県
36位 山口県
37位 千葉県
38位 新潟県
39位 熊本県
40位 青森県
41位 佐賀県
42位 岐阜県
43位 栃木県
44位 愛知県
45位 和歌山県
46位 岡山県
47位 香川県
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年8月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。