日産・西川社長、嵐の夜に電撃辞任報道に「ゴーンと共倒れ」

首都圏が台風上陸に伴う暴風域に突入した8日深夜、日産自動車の西川広人社長が辞任する意向を周囲に示したことが複数の報道機関で相次いで報じられた。ネット上は「ゴーンも西川も共倒れか」「退任で済むと思うな。西川についても徹底的に調査するべき」といった厳しい声が相次いだ。

日産自動車サイトより:編集部

西川社長を巡っては、株価に連動して役員報酬が決まる制度に関し、社内規定に違反して不当に数千万円を上乗せして受け取った疑いのあることが、日産の内部調査で判明(出典:共同通信)。それでも、日産の取締役会が西川氏に辞任を求めない方針が相次いで報じられたが、日本経済新聞が7日朝刊の社説で「経営トップの資質を問われかねない問題ではないのか」と指弾するなど、辞任圧力が強まっていた。

辞任報道は日経新聞が電子版で8日午後10時10分にいち早く報道。共同通信も午後11時3分に追随した。日経電子版のツイッターには、

そもそも日産の経営がハチャメチャだからゴーンが乗り込んできて経営を立て直したんだろう。そらゴーンにしたら おれが立て直したんだから好きにしていいだろうって気になったんだよ。

日産および協力会社 沢山の従業員が不憫だ

などといった感想が寄せられていた。Yahoo!ニュースのコメント欄(ヤフコメ)には

ゴーンの事をあれだけ断罪しておきながら、今回の不正な報酬は自分は関係ない、ゴーンのせいだと被害者面するのは見てて気分の悪いものでした。

そもそも、有価証券報告書には代表取締役であったこの方も署名していたはずなのに、何故か被害者面が許されていたのが不思議でした。

などとゴーン被告追放を主導した西川氏の姿勢を厳しく指摘する声が並んだ。

ヤフコメには、Yahoo!ニュース個人オーサーで、自動車業界には随一詳しい元朝日新聞記者のジャーナリスト井上久男氏も感想を寄せていた。井上氏は、西川氏の後任について「関潤専務が有力」との見方を伝えた一方で、6月に移行した指名委員会が「どのような人選をするかが見ものだ」と指摘。

指名委員会の委員長は、元経済産業審議官の豊田正和氏。今後、外交問題にもなりかねないルノーとの交渉があることから、豊田氏は国の意向も探ったうえで後継社長を決めることになるだろう。

と今後の展開を読んでいた。