環境相に就任した小泉進次郎氏が原田前環境相の発言を福島県側に“謝罪”したことが、維新関係者の間やネット上で大ブーイングを浴びている。
大阪維新の会法律顧問の橋下徹氏は13日、前日に出演したAbemaTVでの小泉環境大臣への苦言についてツイッター上で説明。小泉氏は「全国に流したらいいと言うべき。所管外ということで逃げるべきでないし、ポエムを発している場合じゃない」と改めて痛烈な一撃を与える一方、「トリチウム以外の多核種について、福島の処理水には大きな誤解がある」などと海洋放出への理解を求めた。
「小泉さんの発信力を使って、“僕の所管事項ではありませんが、これは薄めれば大丈夫です。福島だけには流しません、全国に流したらいいんじゃないですか”と言えばよかった。そうすれば“おお~”っとなったと思う。やっぱり人気を気にしてるな、と思ってしまった」(AbemaTIMES)
これらについては、小泉環境大臣は意見を言えるし、言うべき。所管外ということで逃げるべきでないし、福島の漁民の皆さんのひだに触れるように向き合っていくなどポエムを発している場合じゃない。今のところ、吉村大阪府知事のほうが優勢。若手政治家の切磋琢磨を期待しています。
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) 2019年9月13日
ただし、ロンドン条約との整合性が必要です。福島のALPS処理水に大きな誤解があるのは、トリチウム以外の多核種について告示濃度を上回るものは、二次処理をして告示濃度以下にするということです。さらに2018年からは告示濃度以下になっている。あとはトリチウムを薄めればいい=海洋放出するだけ。 https://t.co/fvWSWglATF
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) 2019年9月13日
ロンドン条約をどうクリアするかは、官僚の知恵を借ります。私を使って下さい、と大臣が人気取りをするのではなく、ロンドン条約をクリアする方法を考えてくれ、と官僚に指示を出すのが小泉環境大臣の役割。方針が決まれば吉村知事は福島のALPS処理水を大阪湾に放出するでしょう。 https://t.co/LzX2wbIx6D
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) September 13, 2019
このツイートを受けてか大阪府の吉村知事は14日未明、アゴラ編集部が13日に掲載した原田前環境相の「海洋放出」発言の真意に関する記事に言及。
しんどいことや批判されるが、必要なこと、これを引き受けるのは政治家の仕事。原田前環境大臣の発言を失言で片付けてはいけないんじゃないか。https://t.co/6xsdZLoJLI @agora_japanより
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) September 13, 2019
と、大阪府として福島の処理水を受け入れる用意があることを示唆。これに橋下氏が改めて期待を示し、日本維新の会の足立康史議員も追随した。
東北のガレキも苦労をしながら、大阪は引き受けたのですから。その際山本太郎はガレキ受け入れ反対!と大騒ぎしていたような。この方針に意見を言うのは、小泉環境大臣の仕事。これまでのようにポエムを語るだけでは大臣の仕事は務まらない。吉村知事と小泉環境大臣のタッグで解決策を捻り出して欲しい
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) 2019年9月13日
これは、大阪維新の会として、日本維新の会として、全力で取り組むべき政策。東京維新の会も東京湾に放出することを主張すべき。特に福島第一原発は東京のために発電してきたんだから。もちろん、内湾より外湾といった議論はしたらいいけど、政治意志は明確に打ち出していくべき。 https://t.co/71bskN33yr
— 足立康史 (@adachiyasushi) September 13, 2019
今回の進次郎氏の“謝罪”に対しては、ネット上でも、
以前、進次郎さんの発言をほぼすべて確認したのですが、批判する場所が一か所もなかった。内容がゼロだから批判しようがない。「砂糖は甘いんです。僕は昔からそう思っている」みたいなことを遠くを見つめながら言う。政治家にはあまり向いていないと思います。
ネットを見てると「小泉進次郎大嫌い。観てるだけでムカムカする」って左派も右派もその一点では共通してるのに、地上波では大人気というあたりに、ネットとテレビの断絶を感じる。
小泉進次郎大臣が自ら所管外といいながら漁組に謝罪・・・いきなりパフォーマンス全開という感じだね。海洋放出以外の手段がないことがわかっているのかいないのか。いずれにせよこれは関係者の足を引っ張るだけの個人プレーだよ。
と批判が殺到。
ネット上の著名人では、韓国系日本人3世※の投資家H.S. Kim氏や、アゴラ研究所フェローの宇佐美典也氏が、小泉氏が各所での努力を就任2日で台無しにしてしまったことを嘆いていた。
Forbesがせっかく「福島原発のトリチウム水を海洋放出しても問題ない」という冷静な記事を出してくれたのに、新米の環境大臣が就任2日で台無しにしちまったぜ。 https://t.co/8Mvhy2z9dm
— H.S. Kim (@xcvbnm67890) September 12, 2019
別に小泉進次郎さんが反原発だろうと全然構わないんだが、責任者の立場なんだから「どうやって原発なしで温室効果ガス減らすか、また、どのように使用済み核燃料を処理するか」ノーアイデアで、ましてや所管外のことに無責任なこと言うなって話なんだよな。その後始末は誰がやるかって話だよ。
— 宇佐美典也 (@usaminoriya) September 13, 2019
小泉進次郎さん就任二日で取り返しのつかないミスをしたように思う。 代替手段がない不人気政策をポピュリズムで否定すると短期的には良くても後々自分が苦しむ。 小池知事の就任当初の行動と良く似てる。
— 宇佐美典也 (@usaminoriya) September 12, 2019
小泉進次郎さんのスゴいとこは就任2日にして、経産省と原子力規制委員会と前環境大臣の三者のメンツを完全に潰したこと。 河野さんにできたことが彼にはできなかった。残念だ。
— 宇佐美典也 (@usaminoriya) September 12, 2019
【※訂正】 初出の記事で、H.S. Kim氏について「在日コリアン3世」としていましたが、ご本人の指摘で「韓国系日本人3世」に訂正します。失礼いたしました。