11月4日、日韓関係で二つの動きがありました。
一つは東京開催されたG20国会議長会議に韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が参加していました。文喜相国会議長と言えば、慰安婦問題について今年の2月に当時の天皇陛下、現在の上皇陛下に「天皇陛下(現上皇さま)による謝罪で慰安婦問題が解決する」と謝罪を要求した人物です。来日することは自体いかがなものかと道理に反する人物ですが、文喜相国会議長は今回、山東昭子参議院議長に個別面談を申し入れましたが、山東議長はこれを「謝罪と撤回を求める書簡に回答がない限り会談しない」と拒否しました。山東議長の判断はこれでいいと思います。
もう一方で安倍首相はASEAN会議の為に訪問しているタイのバンコクで文在寅大統領と会いました。2人が会うのは昨年9月のニューヨーク以来ですから、1年1ヶ月ぶりでした。この1年間、韓国側は両首脳の会談を求めてきましたけれども、日本側が拒否していました。というのも、韓国で徴用工について日本企業に賠償を命じる判決を出したことが、明らかに国際法違反の判決だからです。何が国際法違反なのかは1965年に日韓基本条約と共に結ばれた「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定、通称「日韓請求権協定」に反するからです。
終戦までの日本から韓国への賠償問題については、この協定で「完全かつ最終的に解決」と両国間で約束されたわけです。さらに日本はこの約束に基づいて韓国に莫大な経済援助をしてきたわけです。
※関連ブログ【韓国・徴用工問題】冷静に、理性的に、ブチ切れます(2017.8.24)
ところが元徴用工が日本企業に対して賠償を求め、これを裁判所が認めたわけです。これに対して文在寅大統領は「司法は政府から独立している」とて、事実上この判決を後押ししてきたわけです。
韓国という国は、両国間の約束は守らない上に、取れる金はまた取ってやれというような態度で、韓国メディアも韓国側の論調でしか伝えないわけです。日本のメディアもひどいけど、韓国のメディアはもっとひどいと思います。日本のメディアは反日と言われる、時に中国や韓国の理屈も報道するので、一体どこの国のメディアと思えるようなことがあるわけで、ある意味では中国や韓国の理屈がわかわかります。ところが韓国メディアは韓国側の理屈しか伝えないということで国民はこれを信じそして国民が納得しない。かといって日本に迫ってくる。これも常套手段でマッチポンプです。
今回安倍首相に会いたいと言ってきた文大統領に久しぶりに会ってあげた、そして「明確に国際法に反している」ということを改めて文在寅大統領に伝えました。ちなみに国際法というのは他国間だろうか二国間であろうが、どの国の国内法よりも国際法の方が上位にあります。
文大統領は人気取りで何かを持ち上げますが、結局はそれが実現しない人です。2020年に最低賃金を1万ウォン(約1000円)に引き上げると選挙で公約しましたが、公約を守れず国民に謝罪、対話によって北朝鮮の核問題を解決し、朝鮮半島情勢の安定化を実現するとしていましたが、北朝鮮の対韓国宣伝サイトで韓国の文在寅大統領を事実上「名指し」して非難されたり・・・・
韓国国内では勝手ですけどね、こと日本との関係においては自分で開いたお店は自分で畳んでください。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年11月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。