ビジネス野党の体たらく。森ゆうこ議員の質疑通告、夜22時で正式確定

音喜多 駿

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

昨日はHPVワクチン「名古屋スタディ」勉強会や、日銀との意見交換、参院予算委など盛りだくさん。やはり国会審議が活性化してくると、良い意味で忙しくなってきますね。

一つ一つ取り上げていきたいのですが、今日は委員会質疑で発覚した驚愕の事実からお伝えしておきたいと思います。

先月の台風前夜、森ゆうこ参議院議員の質問通告が深夜まで遅れたことについて、森議員サイドは論点を「情報漏えい」にずらしていまだに問題がくすぶっています。

参考過去記事:
国会の「質問通告」とは何か? -台風前夜、深夜残業がなぜ発生したかを検証する-

こちらについて森議員は「追加ペーパーは事後に出したが、16時半には質問通告を確かに参議院事務局に提出済だった」「それが共有されなかったのは事務方のミス」と言い張ってきたわけです。

ところが足立議員の質問により、以下の事実が明らかになりました。

1.
参議院予算委員会では、理事会で通告締め切りが決まると、その時刻までに「質疑者の氏名、順番、答弁者の名前」を通告することになっている
2.
ここには質疑の「内容」は記されなくて良いことになっている。これは内容を伝える一般的な「質問通告書」とは別物であり、参議院予算委だけにあるローカルルール
3.
森議員が「締切までに提出した!」と胸を張って言っていたのは、前者の「内容が書いてない通告」の方であり、これで官僚サイドが答弁が作れるわけがない
4.
官僚たちが待ち望んでいた「一般的な通告書」が提出されたのは、やはり夜22時だった!!

上記の事実は足立さんが勝手に言っていることではなく、内閣官房・参議院委員部が答弁した正式回答です。

森ゆうこ議員が質問通告書や「追加ペーパー」をまとめて公開できないのも、これで納得できます。すべてを時系列で見せれば、上記の事実がバレてしまうからです。

参議院予算委には通告書が「2種類」あることなどほとんどの人が知らないのを良いことに(私も知らなかったし、官僚の多くも知らなかったようです)、強弁で乗り切ろうとした上に「情報漏えい」と話題をすり替えたことは、言論の府にあるまじき悪質な行為と言わざるを得ません。

森議員の民間人に対する名誉毀損行為も含めて、我々は引き続き毅然とした対応を内外に求めていくものです。

さらに参院予算委では東とおる議員の質疑によって、正式な答弁ではないものの、またも野党サイドのおかしさが白日の下に晒されました。

参議院は定数を6名増やしたことを受けて、さすがにその分は自分たちの歳費を減らそうということで、一割を上限に「自主返納」できることになっています。

この自主返納について、「維新は全員やってます、皆さんやっているんですか?!」と東議員が呼びかけたところ、

自民「全員やってるよ!」
公明「公明党もやってるぞ!」
立憲・国民民主「……」

挙げ句に「定数を増やした自民が悪い!」と叫ぶ始末。

開いた口が塞がらないとはこのことです。(なお、共産党などその他の政党のリアクションまでは見れませんでした)

定数が増える時に維新が提出した「歳費2割カット法案」には反対し、自主返納の方に賛成しておきながら、自分たちはやらない。党内にやっていない議員が明らかにいる。

それがバレるのが嫌だから、返納総額の公表にすら反対している有様

確かに定数増を主導した自民党が諸悪の根源であることは間違いありませんが、だからといって(国民の税金から出ている)「カネを返さなくて良い」ということにはならないのは、小学生でもわかることです。

こんな口先だけでやる気もない「ビジネス野党」では、いつまでも与党が枕を高くして寝ることができてしまいます。

※ビジネス○○
本来はそうではないのに、自らの利害のためにそう見せかけること。この場合、本気で政権交代する気などないのに闘っているフリをする野党のことを揶揄して表現しています

私は都議会議員時代から一貫して自民党を叩き続けてきた筋金入りの「反自民」ですが、それでも先に目についてしまうほど国会では他の野党の方がひどいです。

なので平等に叩いておくと(?!)、安倍首相のヤジなんかも大概にありえないと思います。

とまあ文句ばかりを言っていてもしょうがないですから、自分たちで本質的な論戦と国会改革を進めていくしかありません。

またもちろん、どの党にも若手を中心に、本気で国会や政治の状況を憂いている心ある議員が少なからず存在します。

染まらず諦めず、皆さまからのご意見や声を背に、一歩一歩前に進んで参ります。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2019年11月8日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。