森ゆうこ議員への懲罰検討を求める申し入れ書を参院議長に提出しました

音喜多 駿

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

11月19日、日本維新の会として正式に、参院議長に対して森ゆうこ議員への懲罰検討を求める申し入れを行いました。申し入れ書の全文は党HPにも公開されています。

申し入れ書全文

森ゆうこ議員の目に余る言動については、私のブログでもたびたび取り上げて参りましたが、今回の懲罰検討を求めた理由は主に2つです。

・民間人に対して、事実無根の誹謗中傷を繰り返していること
・同じく民間人の「自宅住所」を公開し、本人に謝罪すらしていないこと

国会議員は、国会内で発言したことに対して罪に問われないという「免責特権」を持っています(憲法51条)。

これはこれで、時の権力者に対して物怖じせずに議論を挑むために必要な規定ではあるのですが、その特権を民間人に対して振りかざしてはいけないことは明らかです。

参考:
連載① 森ゆうこ議員による人権侵害は「免責特権」の濫用でないか?(原英史)

森ゆうこ議員が国会質問において、民間人(原英史氏)を不当に犯罪者扱いしたことについては、懲罰を求める署名活動に約7万人の署名がすでに集まっています。

●国会議員による不当な人権侵害を許さず、 森ゆうこ参議院議員の懲罰とさらなる対策の検討を求めます。

こうした問題が指摘される中、森ゆうこ議員は原英史氏の自宅住所を国会質問・ネット上において公開し、さらには本人に対して謝罪すらしていないことも、ご本人の証言により明らかとなりました。

この住所の件だけは「非公開の理事会では謝罪をした」とされていますが、まったく不十分な対応であると言わざるを得ません。

「見えないところで謝っておいたから、それで勘弁な!」

と言われて納得する人がいないことは、容易にご想像いただけるはずです。

ここで「懲罰」の仕組みを解説しておきたいと思います。

国会では院内の秩序を乱す等した国会議員に対して、懲罰委員会を開いて「懲罰」を与えることができます。「懲罰」と一口にいっても種類・ランクがあり、

・公開議場における戒告
・公開議場における陳謝
・一定期間の登院停止
・除名

等があります。懲罰委員会を通して、事犯に応じた懲罰が決定されるわけですね。

そして懲罰委員会の開催を議員側から求める(懲罰動議の提出)には条件があり、

・衆議院で40名、参議院で20名以上の賛同
・事犯が起きてから3日以内

となっています。

今回、日本維新の会所属の参議院議員は16名であり、また事犯からも3日以上が経過しているため、懲罰動議を出すことは残念ながらできません。

しかしながらもう一つ、懲罰委員会を開催する手段があります。

それが議長の職権による開催です。

議長が懲罰事犯があると判断した場合には、上記の動議提出の条件にとらわれず、懲罰委員会に審査を求めることができるわけですね。

今回、日本維新の会が直接参議院議長に申し入れ、またネットを中心に行なわれている署名活動が求めているものは、この議長職権による懲罰委員会の開催ということになります。

いま国会では与野党が馴れ合い、こうした事犯を有耶無耶にしようという流れが出来上がっています。

議長は外形的には公平中立とはいえ、自民党出身でありますから、普通に考えれば懲罰の発動は厳しいかもしれません。

しかしながら、最後に物事を動かすのは世論・民意です。

森ゆうこ議員も、所属する国民民主党も、一連の問題の論点をすり替え、非公開で行なわれる理事会・理事懇親会をもって「幕引き」を図ろうとしています。

以前の動画でも説明した通り、非公開の場で議員同士が「確認」したことなど何とでも作れますし、政府側の公式見解にもなりえません。

理事会でのやり取りをもって「閉じよう」としていること自体が、本人たちも分が悪いとわかっている何よりの証左ではないかと思います。

質問通告が「漏えい」したことが、権力者(政府)による質問権の侵害だというのであれば、同じく権力者(国会議員)が私人の自宅住所を漏えいしたことは、同等かそれ以上の人権侵害です。

組織としても私個人としても、一連の問題は引き続き毅然とした対応を求め、本質的な国会改革へとつながるよう努力をしてまいります。

何とぞご支援・ご賛同をいただければ幸いです。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2019年11月19日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。