中田宏の知っトク解説。
今回は“世界遺産”
世界遺産は、1972年に国際連合教育科学文化機関(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization, UNESCO ユネスコ)で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)で、1975年12月17日に正式発効され、日本は1992年に条約を締結しました。
今年7月時点で登録された世界遺産は合計1121件あり、日本は23件が登録されています。世界遺産には3種類あります。建物や遺跡などの文化遺産。自然遺産そして文化と自然の複合遺産です。日本には19件の文化遺産と4件の自然遺産があり、複合遺産はありません。
一番最初に登録された文化遺産は、1993年の法隆寺地域の仏教建造物と姫路城です。その後、原爆ドームや厳島神社、富岡製糸工場などが登録され、また信仰や芸術の源泉ともなっている富士山も文化遺産になっています。自然遺産は93年に屋久島と白神山地が登録され、その後、知床、小笠原が登録されました。
世界遺産になると世界中から顕著で普遍的な価値が認知されたということになります。その保護は遺産保有国の義務ですが、紛争など重大な危機にさらされるようなケースでは、世界遺産委員会が国際社会に保護を訴えるなどをしていくことになっています。
世界遺産が最も多くある国はイタリアと中国で55件、日本は12番目に多い国です。
来年は「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)の登録を目指しています。
日本の世界遺産リスト
1993年 「法隆寺地域の仏教建造物」(文化遺産)
1993年 「姫路城」(文化遺産)
1993年 「白神山地」(自然遺産)
1993年 「屋久島」(自然遺産)
1994年 「古都京都の文化財」(文化遺産)
1995年 「白川郷・五箇山の合掌造り集落」(文化遺産)
1996年 「原爆ドーム」(文化遺産)
1996年 「厳島神社」(文化遺産)
1998年 「古都奈良の文化財」(文化遺産)
1999年 「日光の社寺」(文化遺産)
2000年 「琉球王国のグスク及び関連遺産群」(文化遺産)
2004年 「紀伊山地の霊場と参詣道」(文化遺産)
2005年 知床(自然遺産)
2007年 「石見銀山遺跡とその文化的景観」(文化遺産)
2011年 「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」(文化遺産)
2011年 小笠原諸島(自然遺産)
2013年 「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」(文化遺産)
2014年 「富岡製糸場と絹産業遺産群」(文化遺産)
2015年 「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」(文化遺産)
2016年 「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」(文化遺産)
2017年 「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(文化遺産)
2018年 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(文化遺産)
2019年 「百舌鳥・古市古墳群−古代日本の墳墓群−」(文化遺産)
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年11月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。