年末恒例の「新語・流行語大賞」が2日発表され、2019年の年間大賞は、ラグビーW杯で史上初の決勝トーナメント進出を果たしたラグビー日本代表のスローガン「ONE TEAM」が選ばれた。(参照:公式サイト)
一方、流行語大賞といえば近年は、「アベ政治を許さない」などの政治色の強い言葉が候補にエントリーし、特に安倍政権批判に結びつけた左派イデオロギーを如実に感じさせるものがあるとして、批判も噴出している。
しかし、今年はノミネートされた30の言葉のうち、あきらかに政治関連の言葉といえるのは「れいわ新選組/れいわ旋風」だけ。ニッポン放送のラジオ番組でコメンテーターを務めた産経新聞の乾正人・論説委員長のように「政治の影が薄い」と指摘する声が少なくなかった。
実際、当事者もそうした見方をしているようだ。れいわ新選組から参院選で出馬・落選した渡辺てる子氏は、ノミネート直後はツイッターで支持を呼びかけるなど大賞を狙っていたが、この日、大賞どころかトップテンからも漏れた結果を受けて、「流行語大賞に投票の意味はない」「政治が、特に野党関係はタブーになった」などと不満をぶちまけた。
ダントツ1位の投票数だった「れいわ新選組 れいわ旋風」は、その言葉の存在自体も無視されてました。
もう流行語大賞に投票の意味はないということだと思います。
これまでは、政治がらみの言葉もその投票数によっては賞の対象になっていましたが。
政治が、特に野党関係はタブーになったのでしょう。 https://t.co/iPuCYZsUE2— 渡辺てる子 れいわ新選組 (@teruchanhaken) December 2, 2019
また、山本太郎氏をポスト安倍に推すかのような言動をしている朝日新聞の鮫島浩記者も、渡辺氏のツイートを引用する形で「トップ10に入ってないのは明らかな政治的忖度。これでは流行語大賞も下火だろう」などと独自の見解を示した。
政治史に残る旋風を起こした「れいわ新選組」が大賞はおろかトップ10に入ってないのは明らかな政治的忖度。これでは流行語大賞も下火だろう。報道する価値はもはやない。新聞各紙がどう報じるか。これまた忖度して「れいわ新選組」の存在をなかったことにするのか。実につまらない。白ける。 https://t.co/ExZIQ2RUpa
— 鮫島浩 (@SamejimaH) December 2, 2019
しかし、本当に流行語大賞の事務局が政治色を排除したのだろうか。ネット民は授賞理由への目配りも怠らなかった。すると大賞の「ONE TEAM」の授賞理由をみると、
ONE TEAMは、世界に広がりつつある排外的な空気に対する明確なカウンターメッセージであるとともに、近い将来、移民を受け入れざるを得ない日本の在り方を示唆するものとなった。それは安倍総理にもしっかりと伝わったと信じたい。
などと、あきらかに安倍政権がなにか排外的な空気を助長しているようにも受け取られかねない書き方をしている(太字は編集部注)。これには、一般のネット民は
なんでもかんでも政治に関係させないと気が済まないの???
思いっきり政治的な意味含んでました
などとと呆れ気味だった。