森ゆうこ氏の懲罰請願:塩崎氏が自民閣僚経験者で初の支持表明

アゴラ編集部

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自民党の塩崎恭久・行政改革推進本部長(元厚労相、元官房長官)は4日、自身のブログで森ゆうこ参議院議員による原英史氏に対する一連の発言について「全く根拠のない誹謗中傷」「こんないい加減な国会発言をしてはならない」などと批判した。

さらに、原英史氏らが山東昭子参議院議長に提出した森氏に対する懲罰請願についても「採択と懲罰実現に向け、最大限取り組むべきだ」と、支持した。森氏の一連の言動について、自民党閣僚経験者が批判し、請願支持を表明するのは初めて。

塩崎氏は4日、『「規制改革」を妨げる、国会議員の不当な言動を許してはならない。』と題したブログを更新。

今国会では、「規制改革」の重大な障害になりかねない出来事もあった。規制改革に関わる会議の民間委員に対し、国会議員から不当な攻撃がなされたことだ。

と振り返った上で、10月の参議院予算委で森ゆうこ氏が原英史氏を名指しして、特区提案者から金銭を受け取り、「国家公務員ならあっせん利得収賄で刑罰を受ける」などと発言したことを指摘。森氏が参考にしている毎日新聞が、原氏から名誉毀損で提訴されたあとに「原氏が金銭を受け取ったと報じたつもりはない」と主張を変えたことを踏まえ、

森議員の発言は、情報源の毎日新聞すら今や否定する、全く根拠のない誹謗中傷だったのだ

と論評。原氏の自宅住所を載せた資料を国会で配布して、ネットで拡散されたことについても「およそありえないこと」と厳しく指摘した。さらに

ともかく、こんなことを許してはならない。原氏本人にとっても深刻な人権侵害だが、さらなる問題は、こうした事態を放置すれば、規制改革に本気で取り組む民間人はいなくなってしまうことだ。

などとこの問題が安倍政権の規制改革政策プロセスに悪影響を及ぼすことに懸念。原英史氏らが森氏の懲罰を求める請願についても触れて、

言うまでもなく、免責特権を濫用し、民間人を不当に誹謗中傷するようなことは許されてはならない。まして、規制改革の妨げになりかねない動きには、断固たる対応をとらなければならない自民党として、この請願の採択と懲罰実現に向け、最大限取り組むべきだ。

と、全面的に支持する意向を示した。

森氏の問題については、これまで自民党国対が野党側の日程闘争を恐れてことを荒立てないようにしているとされているが、党内でも規制改革に熱心な議員などからは水面下で原氏を支持する意向はあった。しかし、閣僚経験者が明言したことはこれまでになかった変化だ。

自民党執行部が国会対策を優先して、暴走する野党議員による人権侵害をこのまま許すのか。9日の会期末までに請願の取り扱いを決めなければならない中で、自民党支持者からも突き上げる声が勢いを増しそうだ。