12月11日、私駒崎が理事長を務める「一般社団法人こども宅食応援団」は、京都市と社会福祉法人あだち福祉会ともに、「京都こども宅食プロジェクト」の始動に向け、3者の連携・協力に関する協定締結の記者会見を行いました!
こども宅食の取り組みとしては政令市では国内初、大都市圏では本モデル発祥地である文京区に続いて2例目になります。
こども宅食は、経済的に厳しい環境の子育て世帯に食品を届けながら、繋がり続け、課題が発生した時に行政や地域の社会資源へと繋ぎ、子どもに大変なことが起きる前にリスクを減らしていく「アウトリーチ」の仕組みです。
子どもへのアウトリーチは、日本でもまだ珍しく、文京区から生まれたこの「こども宅食」モデルが少しずつ全国に広がっているのは、とても意味があることだと思います。
なぜ京都?
最初に京都と聞いた時、「華やかな京都で、意外だなぁ」と思ったんですよね。
でも、話を聞くと、京都は日本一の観光地だからこそ、季節で繁閑差が激しく、非正規雇用に頼る割合も大きくなってしまう、ということで納得。
非正規雇用率が増えると、収入が安定せずに、経済的に厳しい環境に落ち込んでしまう人も増えてしまいます。
こうした地域の課題を解決すべく、立ち上がってくれた方々がいます。
京都こども宅食を支える人々
京都でのこども宅食の立ち上げを仕掛けてくれたのは、KBSキャスターの竹内弘一さん。地元の企業・行政・社会福祉法人を駆け回って繋ぎ合わせ、近畿初の事例作りに奔走されました。
彼はこう言います。
「私は、提案型地域メディアを提唱していて、行政と民間、双方にアプローチして京都を良くする取り組みを行ってました。既存の大手メディアは共すれば問題提起に偏ってしまいがちで、プレーヤーとして地域づくりまでは参加してこなかった。
私たちは取材などを通じて知りえた情報や人脈を使って、問題提起だけでなく、人と人、民間と行政などをつなぎ、地域づくりに貢献しようと活動しています。
これまで京都府とは京都府北部の観光戦略について、京都のお茶の振興について、名産の北山杉の活性化についてなど、京都市とは手話を広げる活動、市の基本計画の作成など、様々な取り組みをしてきました。
そのなかで、いま京都に足りないのは子どもの貧困対策だと感じていた。その中で、駒崎さんとの出会いからこども宅食を知り、これだと思ったんです」
そして京都で知らない人はいない産婦人科、足立病院の畑山院長。
彼はその経営をされながら、保育所や学童保育も運営され、「産んだ後のママたち」も支援されています。
参考:京都の御所の杜保育園に見る、医療者ができる子育て支援の姿
畑山先生は語ります。
「私は産婦人科だが、産んでどこにも行き場が無いママたちを見て、子育て支援センターを作った。働きたくても預ける場所がない、と保育園を作った。熱を出したら働けない、ということで病児保育を作った。医療的ケア児がいたら、引きこもらないといけない、という母親には医療的ケア児を預かる場所を作った。このこども宅食があれば、我々のところに来れないような家庭にも、細かく支援ができると思った。ノウハウを貯め、京都府全体へ、そして他の自治体へも広げていきたい」
こんな心ある人が、京都でこども宅食を始めようとしてくれていることに、胸がいっぱいになりました。
こども宅食を全国へ
これまでこども宅食は、佐賀・長崎・宮崎・新潟等の各県に広がってきました。
また、こども宅食を立ち上げたいのだが…という問い合わせは、全国各地に及びます。
こうしたムーブメントを後押しするために、私たちは社団法人「こども宅食応援団」を創って、ノウハウやナレッジの提供、立ち上げ支援を行っています。
活動原資は、佐賀県へのふるさと納税です。
佐賀県にふるさと納税していただければ、プロジェクト指定で、寄付が宅食を全国に広げていくことに使われます。
皆さんも、こども宅食の輪を全国に広げることに、力を貸してください。
京都だけでなく、全国にはこども宅食を必要とする親子が幾万人といるのだから。
「こども宅食」全国展開化をふるさと納税で支援!
編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2019年12月12日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。