ギリシャ人の友人が「離婚は結婚より難しい」と言っていた。英国は通貨ユーロを使っていなかったから困難にあまり直面せずに離脱できるだろう。
ユーロ圏は少し先の話だろうが、通貨ユーロの崩壊により崩壊する、と思う。その前に離脱するのは賢明。観光立国ギリシャの経済再建には他の欧州の観光客を呼び込む必要がある。しかし共通通貨ユーロを使っている限り通貨安政策はとれない。
地域同一通貨を使い続けるためには、財政が一つになるか、国として一つになるしかない。
しかし勤勉なドイツ人は、彼らの税金を(彼らいうところの)怠惰なギリシャ人との格差是正に使うことには大反対だ。だからユーロ永続は無理。ただ、だからと言ってユーロが無価値になるわけではない。
ユーロ分解時、すべてをドイツマルクに交換するなら、私は、今、ユーロを買うが、すべてをギリシャ・ドラクマに変換されるのなら今、ユーロは買わない。離婚時の手続きが不透明だから私は、今後ともユーロ取引には深く関与しない。
今後、英ポンドが国民の分裂を理由に下げるようなことがあれば、自国通貨安で景気は大回復。そうなれば国民の分裂などすぐ収まる。1992年(英中央銀行に勝った男と言われる)ソロス氏の英ポンド売りにより、英国はEUに参加しそこなった、しかしその結果のポンド安で経済大回復、ゴールデンタイムが来たのと同じになるだろう。
藤巻 健史 経済評論家、前参議院議員
元モルガン銀行東京支店長。ジョージ・ソロス氏アドバイザーを歴任。一橋大学卒、ケロッグ経営大学院修了 MBA取得。学校法人東洋学園大学理事。仮想通貨税制を変える会会長。2013年〜19年、参議院議員を務めた。オフィシャルウェブサイト、Twitter「@fujimaki_takesi」