ジェンダーギャップ、日本は政治部門で153ヶ国中144位!その理由はずばり○○に…

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

ジェンダーギャップ、日本は過去最低の121位:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASMDK2G9WMDKUHBI009.html

今年も世界経済フォーラムが発表した「ジェンダーギャップ(男女格差)」ランキングにおいて、日本がさらに順位を下げたことが話題になっています。

とりわけ深刻なのが「政治部門」ということで、

>過去最低の順位に影響したのは政治分野で、前年の125位から144位に後退。9月の内閣改造まで女性閣僚が1人だったことが響いた。女性閣僚の割合で格差を縮めて順位を上げた韓国に全体でも抜かれる形になった。
(上記記事より抜粋、強調筆者)

振り返るとあと9ヶ国しかない状態という…。女性議員・女性閣僚の比率がダントツで低いのがその要因とのことです。

先般、34歳の女性が首相になり、閣僚も半分以上が女性というフィンランドの光景を思い浮かべれば、まあこの評価もやむを得ないかと肩を落とすばかりです。


首相は34歳女性、閣僚も女性12人…フィンランド「ガラスの天井」ない理由/毎日新聞より抜粋)

日本で女性閣僚・女性議員が増えないことは、明確な理由があります。

まず前者は閣僚(大臣)の選定基準です。

日本の閣僚は広く知られているように、基本的には当選回数(期数)を重ねた議員が順番に任命されていきます。

派閥間のバランス調整はあれど、基本的には年功序列に近い状態です。

実力主義による抜擢などはわずかな例外を除いてないため、必然的に人数・当選回数が少ない女性議員にポストが回ってこない状況が続くことになります。

では閣僚以前に足元の女性議員は増えているかというと、これもなかなか思うようには増えていかない。

その理由は、ずばり日本の選挙制度と選挙慣習にあります。

高齢多選や世襲が多く、それが許容されているという環境に加えて、日本の選挙は完全に根性論の世界

政策論争よりもどれだけお祭りを回ったか・夜の会合にマメに顔を出したか・駅に長時間立ち続けたかが当落を左右していきます。

こうした選挙ではどうしても妊娠・出産などの物理的ハンディキャップがあり、体力でも劣る女性にとっては不利な状況が続きますし、また選挙に出ようと思う女性も増えるはずがないでしょう。

この状況を打破するためには、政治家・議員に一定の女性枠を割り当てる「クオータ制」「パリテ制」を導入するというのが一つの手段として考えられます。

参考過去記事:
クオータ制導入で、女性と社会は躍進できるか?フランスの「パリテ」から考える

https://otokitashun.com/blog/policy/4368/

またもう一つとして、諸外国並みの「党内予備選挙」を実施することは、かなりリアリティのある解決策ではないかと思います。

昨今の女性候補が強い選挙のトレンドを見るに、党内派閥論理で高齢・多選の候補者が自動的に公認されるのではなく、党員や有権者を巻き込んだ党内予備選挙を実施すれば、自然淘汰が進みかなり多くの女性候補者・政治家が誕生するのではないでしょうか。

今回の報道のような「外圧」を奇貨として、日本国内でも政治改革が前進するよう、私も引き続き国会の中から声を上げて参ります。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2019年12月17日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。