「おばちゃん」こそ資産運用を真剣にやるべき理由

日本経済新聞社の編集委員田村正之さんが年金の受給の方法について記事を書いています。その中で注目したのは、引用されていた「長生きリスク」のグラフでした(図表も同紙から)。

生まれた時期と性別によって、90歳まで生きる確率、100歳まで生きる確率がグラフ化されています。

男女共に生まれた年が古いほど長生きする可能性が低くなることがわかりますが、大きな差にはなっていません。大きな違いがあるのは「性別」です。

男性の場合、生まれた時期にあまり関係はなく、90歳までは40%程度、100歳になると5%程度の生存確率になります。

ところが女性になると90歳では70%、100歳でも20%という、際立って高い数字になるのです。

つまり、女性は90歳まで生きる方が普通で、100歳になってもそんなに不思議はないということです。

シニアの資産運用がとても重要であることは言うまでもありませんが、その中でも特に長生きリスクが高い女性こそ、長期の資産運用計画をしっかりと立てておかなければならないことがわかります。

acworks/写真AC

「おじさん」よりも「おばちゃん」の方がより真剣に資産運用を考え、実践すべきということです。

今まで、資産運用には性別はあまり関係ないと思い込んでいました。仕事をしていてリタイアする年齢には男女の格差はありません。給与格差は以前男女で大きなギャップがありました。まだまだ男女平等には至っていませんが、徐々に縮小に向かっていると思います。

しかし、性別によって寿命がここまで違うということは、男女の資産運用の方法には異なるアプローチや目標設定が必要であることを意味します。

長生きする女性の「人生100年」をどうやって充実したものにしていくのか。シニアのお金に関して、これから考えなければいけないテーマが、また1つ増えました。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年12月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。