エアポート投稿おじさんは「恥の上塗り」なのか?

「飛び恥」という言葉が最近出てきているそうです。エネルギー効率の良い鉄道ではなく二酸化炭素を大量排出する飛行機で飛ぶのが恥ずかしいという意味らしいです。

そもそも、飛行機に乗る前にフライト情報やラウンジの写真をアップする「エアポート投稿おじさん」も、恥ずかしい行為と思われています。

私は相変わらずエアポート投稿していますが(ちなみに写真は成田のファーストクラスラウンジ)、そもそも恥ずかしい行為を投稿で人前にさらすのは「恥の上塗り」になってしまうのでしょうか。

最近の欧州における地球温暖化や環境問題への関心は、日本とは比較にならないくらい高いと聞きます。スウェーデン出身の環境活動家のグレタさんという女性は飛行機をここ数年使わない生活を続け、環境問題の会議に出席するために大西洋をヨットで数週間かけて移動したそうです。

地球の環境問題は世界の人口爆発と共に大きな問題になっているのは事実です。しかし、地球温暖化問題とは、良く分からないことも多く、極めてデリケートで難しい問題です。

そもそも、地球は本当に温暖化しているのか?そして、もしそうだとしても、その主因は二酸化炭素排出なのか?

私は環境問題の専門家ではありませんから、この問題を論じる資格はありません。しかし、これは環境問題の専門家でも、未だにわからないことなのです。

また、二酸化炭素を排出する化石燃料を使わないとするなら、代替のエネルギー供給は、現実的にどうするのでしょうか。

火力発電所のような化石燃料を使うのはダメ、原発も安全性に問題があるからダメだとしたら、水力や太陽光、風力といった方法だけでエネルギーを供給できるのでしょうか。

残念ながら、私にはグレタさんのようにヨットで海外に出かけるだけの、時間もお金もありません。ヨットで移動する生活ができるのは、現代の世の中では、ごく限られた富裕層に人たちだけです。

もし私がヨットでベトナムの不動産視察に行ったり、陸路で海の無いモンゴルの銀行口座の開設の手続きに出かけていたら、時間とお金がいくらあっても足りません。

世界で人口が増え続け、新興国の豊かになった人たちが、車に乗って、冷房を使い、牛肉を食べ始めれば、地球環境は悪化していきます。二酸化炭素の排出を減らすなら、飛行機に乗るのを止めるだけではなく、肉食を止め、冷暖房を使わず、シャワーも毎日使わない生活を先進国の人たち率先してがやらなければ、問題は解決の方向には向かいません。

地球環境問題を「飛び恥」といったわかりやすい部分にだけ結び付け、先進国の富裕層の自己満足に終わらせてはいけないと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年12月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。