仕事終わりの一昨日、RCFによる「企業版ふるさと納税」についてのウェブサイトをオープンさせました。
私たちは、この制度によって、企業による地域貢献・社会貢献のあり方が大きく変わると考えています。企業版ふるさと納税とはなにか。またRCFがいかにこの制度に関わるかをご紹介します。
1.企業のメリットとはなにか
企業が、自治体による地方創生事業に寄付を行うと、法人税の税額控除をうけることができる仕組みです。すでに3割の税額控除が行われていましたが、2020年4月以降はこれが3割から6割にひろがる見込みです。そもそも行政に寄付すると損金算入がなされますから、たとえば1000万円の寄付を行うと、900万円の税が軽減されることとなります。
この制度は2024年度まで続きますから、最大5年間の、地域にとって社会的インパクトの大きな事業を支えることができます。営業所があったり工場があるなど縁ある自治体に新たな貢献ができます。
本店のある自治体への寄付では優遇措置を受けられないこと、自社に経済的な還元は当然できない点には注意です。
2.地方自治体のメリットとはなにか
自治体にもメリットがあります。これまで地方創生の交付金を活用するには、交付金と同額を自治体が用意する必要がありました。企業寄付を原資とすることで、自治体は大幅に負担を軽くでき、規模の大きな事業を進めやすくなります。例えば企業寄付が1000万あったとして、認められれば交付金を1000万得て、2000万円の事業を自治体負担ゼロで進められます。また企業版ふるさと納税を活用していると、交付金を得やすいメリットもあります。
3.なぜ国は企業版ふるさと納税をすすめるのか
国としては、自治体がより創意工夫し、より意味のある地域活性事業を進めてほしいとの願いがあります。
日本は、国が多く税をうけとり、地方が使う構図があります。その分自治体側のコスト意識が希薄になったり、国のルールに合わせざるをえなくて地域の実情と合わない地域活性事業が少なくありません。自治体が企業に「営業」して資金を確保し、地域ニーズにあった事業をすすめるために、企業版ふるさと納税制度を活用してほしいと考えているわけです。
4.RCFは、企業版ふるさと納税にいかに関わるか
企業版ふるさと納税は現在は年間40億円程度ですが、来年の税制改正によって、場合によってはこの納税額が数百億円となり、数多くの企業・行政のパートナーシップ事業が誕生すると予測しています。東日本大震災後に数多くの企業が復興事業にかかわった2011年以来の大きな動きになると私たちは考えています。
より多くの企業と市町村が意義あるプロジェクトを生み出すために、RCFはパートナーとして企業版ふるさと納税事業を伴走致します。(具体的な進め方や支援内容、費用などは 『RCF×企業版ふるさと納税』 を御覧ください)
企業・行政・NPOが協働して社会課題解決を進められる日本社会が生まれることを、RCFはミッションとしています。東日本大震災も企業が地域貢献にめざめるキッカケになっていましたが、その勢いは必ずしも持続していません。2011年を反省し、2020年こそ、企業が地域を変えていくプレイヤーになるよう、お手伝いをいたします。多くの企業、行政からのご連絡をお待ちしております。
(参考)
「企業版ふるさと納税ポータルサイト」
「制度概要」
「企業版ふるさと納税の拡充・延長」
編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2019年12月28日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。