人をイジって笑いを取る人の思考が「究極にダサい」理由

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
※Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

「世の中は多様、みんな違ってみんないい」と言います。が、それでも「自分には合わない」と感じる人がいるのも事実です。私の場合は「他人をイジって笑いを取る人」を苦手に感じ、人的魅力もあまり感じることがありません。

こうした人が幅を利かせるシーンとしては、大勢の人が一堂に会する「飲み会」や「イベント」などではないでしょうか。私は昔からこうしたタイプの標的にされてきて、今はそのような扱いをされることはほとんどなくなりましたら未だに苦手意識を持っています。

なぜ、人をイジって笑いを取ろうと考えるのか?その人の脳内の思考をめぐる旅へと、あなたを誘いたいと思います。

「他人の褌で相撲を取る」というコバンザメの思考

他人をイジる人を見ていると、自分自身のコンテンツを魅力的にプロデュースする力がないことが多いと感じます。何かしら特異性を持っているなら、それを他人に話すことで面白がってもらえると思うのです。

acworks/写真AC

そのコンテンツは不快に感じなければ何でもよくて、私は昔「声優学校を出て現役の声優をやっている」と自己紹介した方に強烈に興味を持って、楽しく会話をしたことがあります。不思議な体験、珍しい特技など何かあれば何でもいいのです。

一方で、人をイジる人というのは一様に、自分というコンテンツを使うことをしません。もしかしたら何か持っているのかもしれませんが、彼らはあくまで他人を使って笑いを取り、その場のスタンディングの確立を目指します。

彼らの振る舞いを斜め後ろ1メートルくらいの距離から見ていると、「コバンザメ」と感じます。コバンザメというのは、大きな強さを持った他のサメのおこぼれだけに預かろうとする、やや図々しさを感じるサメのことです。彼らを見ていると、自分でリスクを取らない、コバンザメ思考に感じます。

リスクを取らずに笑いを取ろうとする

自分の持っているコンテンツでコミュニケーションを図るというのは、リスクテイクの要素があります。最近買ったものを話すと「自慢かよ」と思われることがあったり、取り組んでいる趣味を話すと「オタクキモい」などと思われてしまうこともあります。私は過去に「高層ビルウォッチングが趣味」と話した時に「なんかキモいw」などと言われて深く傷ついた経験があります。

他人をイジる人は「注目されたい」「認められたい」という承認欲求を満たすために、リスクを取らずに他人をイジってリターンだけを得ようとするように感じます。しかし、その実リターンになっていないと思うのは私だけでしょうか?

この世はリスク・リターンの関係性に支配されていますから、リスクを取らずにリターンだけを得ようとすることは不可能です。彼らが他人をイジって笑いを取れたとしても、笑っている周囲が注目しているのはイジられた側であり、イジっている彼らではないのです。

自分がされたくないことを他人にする人

自分がやられたくないことは、他人にもしない。これは道徳というか、人間社会を生きていく上での社会的ルールだと思っています。が、意外とこのルールは理解されていないことが多いのです。片っ端からハードセールスの電話や、FAXをしまくる業者も、自分がセールスをやられて気持ちよく感じることはないでしょう。他人をイジメている人も、自分がイジめられて嬉しい人はいません。

それと同じで、他人をイジって笑いを取る人ほど、自分がイジられたくないと思っている人種もいないのではないかと思います。なぜなら、自分がイジられても笑いが取れればいい、と思うなら他人ではなく自分自身をネタに笑いを取る、という行為に及ぶと考えるからです。

それをしない彼らを見ると、正直ダサいなと感じてしまいます。

彼らはかわいそうな人

私は昔からイジられて不快に感じていたので、無視していました。

彼らのとっておきのワザは「ノリ悪いな」という言葉です。周囲にそれを賛同する人がいると、全員から攻撃を受けているように感じて非常に辛さを覚えていたものです。未だにそのようなダサい思考の持ち主は一定数いるようですが、私は個人的にそのようなリスクを恐れすぎ、自信がゼロ、それでいて他人の気持ちを考えない人種に魅力を感じません。

イジられ、傷ついて悲しんでいる人は、逆に彼らを憐れむくらいでちょうどいいと思います。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。