日本人のグローバル化に必要なのは「関西のおばちゃんマインド」

内藤 忍

海外にでると、日本人の常識が世界では非常識であることを思い知らされます。

ジョージアのトビリシからドバイへのフライトは、LCCでエコノミークラスしか席がありませんでした。

大家族のグループなどで、機内は超満席で大混乱だったのですが、近くの席の乗客からいきなり、たどたどしい英語で「席を代わってほしい」と頼まれました。

通路側の席なので喜んで交換して座っていると、また別の乗客から「席を代わってくれないか」と、離陸ギリギリに話しかけられました。さすがに近くにいたCAが、呆れた顔で離陸直前なのでやめてほしいと説得し、結局席の移動は1回だけでした。

日本人だったら、こんな風に見ず知らずの外国人に席の交換を頼む事は、ほとんどしないと思います。

そんな機内での出来事で思い出したのが、美容院のシャンプーです。

日本の美容院では、シャンプーの洗い終わりの頃に「どこか他に洗い足りないところがありますか」と聞かれます。

私は、典型的日本人なので、もしかゆいところがあっても「大丈夫です」と我慢してしまいます。

イラスト本舗より;編集部

東京では私と同じように思ったことを言わない人がほとんどのようですが、関西に行くと、おばちゃんが当たり前のように、追加でここも洗ってくれなどと、あれこれ追加注文を出すようです。

「関西のおばちゃんって図々しいな」と思っていましたが、実はこれが世界の標準なのです。相手の気持ちの忖度よりよりも、自分の思ったことをストレートに表現することを優先する。

この「関西のおばちゃんマインド」こそが、すべての日本人がこれから身に付けるべきことではないでしょうか。

日本では、今まで相手の気持ちを慮って、対応することが美徳とされてきました。自分の主張を声高に主張する事は恥ずかしいことだと思われてきました。

しかし、日本人同士ならともかく、世界で「言わなくてもわかってもらえる」とか「自己主張するのは我がままだ」と考えるのは間違えです。

自分の主張をしっかり相手に伝えることが、自分にとっても相手にとっても1番良い結果になる。

言わなければ、誰も対応してはくれませんし、もし断られたら諦めれば良い。だから、失うものは何もないのですから。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年1月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。