新日本プロレス東京ドーム2連戦。思わず、通ってしまった。以前、イベントも絡めた2DAYSはあったが、正月の2連戦は初めて。動員も検討し、初日が40,008人、2日目が30,063人。超満員札止めではなかったが、大健闘と言っていいだろう。
2日目は内容が濃かった。ライガー引退試合は、現在のジュニアヘビー級最強戦士たちとの対決で湧いた。引退の挨拶も彼らしく、飾りっ気がなくて、本音で話しておりナイスだった。他にも、クリス・ジェリコ対棚橋弘至は、煽りVの完成度も高く。残念ながら、棚橋弘至はギブアップ負けだったが、納得の内容になったのは彼の強さ、巧さからだろう。
メインイベントのIWGPヘビー級&IWGPインターコンチネンタルヘビー級の、前代未聞の2冠戦も圧巻の内容で。内藤哲也がオカダ・カズチカを下し、初の二冠王になった。内容にも結果にも泣いた。
ただ、最後にコールを決めようとしているときに乱入事件が。ノア、海外でのレスラー活動を経て参戦したKENTAも選手だ。ここに、快進撃を続ける新日本プロレスの弱さを感じてしまった。
乱入は、いい。だって、プロレスだから。挑戦表明も、いい。なにしろ、プロレスだから。
しかし、その乱入と、挑戦表明が下手くそだったことが致命的だった。
突然の出現だったが、そこにサプライズ感がなく、何か下っ端が出てきたかのような痛さがあった。マイクアピールも何が言いたいのか分からない。何しろ、乱入の高揚感がなく、単にぶち壊しにきただけだった。しかも、彼はこの日の試合で負け、NEVER無差別級王座を失っている。その後、内藤の味方のBUSHI選手が駆けつけたが、彼の駆けつけ方も下手くそだった。このあたりのサプライズ、盛り上げが下手であることについて、新日本プロレスの脇の甘さを感じてしまった。
なんせ、KENTA選手はしょっぱい。海外でも大きな実績をつめたわけではない。ノア時代ほどの輝きをはなっていない。団体としては彼にかけるということなのだろうが、これは吉と出るか凶と出るか。
今年はオリンピックの影響で大会の日程の変更もあり。それもまたどう作用するか分からない。
素晴らしい2連戦だったのに、最後の締めの甘さ、盛り上げの失敗に、弱さ、死角を感じてしまった次第だ。暗黒時代の始まりではないことを祈る。最後に新日本プロレスは早く、KENTA選手を弾劾し、破門するべきだろう。彼に負けないよう、私もますます筋トレを頑張ることにした。
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2020年1月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。