人生で最も無駄なものは「移動時間」

内藤 忍

数年前に目黒区から港区に引っ越して、実感する大きなメリットは「移動時間」の短縮です。

(写真AC:編集部)

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目黒も決して不便な場所ではありませでしたが、赤坂に引っ越して利便性は飛躍的に高まりました。

例えば、都心で打ち合わせといった場合、目黒からは家を出てから1時間近くかかっていたのが、赤坂ならタクシーで15分以内には大体到着します。最近は歩いて出かけることもありますが、それでも40分あれば、到着できます。

移動時間が少なくて済むだけではなく、移動時間中のストレスも軽減されます。目黒からだと毎回タクシーという訳にはいきませんから、電車に乗ることになります。車内の空調が悪くて暑かったり、風邪を引いている人が隣にいてうつされたりするリスクもあります。移動中は時間が細切れで何かに集中することもできませんから、結局無駄な時間に終わってしまうのです。

最近は、環境の良い場所の広い家に住んで、グリーン車や座席指定の電車で遠くから通勤している人もいます。子育てや自分の趣味を優先するための選択なのかもしれませんが、少ない本数の電車に時間を合わせたり、到着した駅からまた別の電車に乗り継いだりと、面倒で時間がかかります。満員電車よりはマシですが、乗る時間は短いに越したことはありません。

このような移動時間の違いが毎日積み重なると、時間と共にかなりの差が出てきます。1日の移動時間が1時間短縮できるとすると、年間で営業日だけでも200時間以上の時間短縮になります。

自分の時給にこの時間を掛け合わせれば、移動時間の金銭換算をすることができます。

時給2000円(年収400万円程度)なら年間40万円、時給5000円(年収1000万円程度)なら年間100万円という計算になります。それだけのコストを追加で住居費として支払う価値があるということです。

この数字は、かなり堅めに計算していますから、実際のメリットはもっと大きくなるはずです。

実は、移動時間で悩ましいのは、毎日の細切れの時間よりも、海外旅行に出かける時です。移動時間が極めて長く、自宅を出てから空港に到着し、出発を待ってさらに機内で数時間。直行便でない場合は、そこから乗り継ぎの時間までかかってしまいます。

海外旅行の移動時間の短縮には限界があります。だから対策としては現地の滞在時間を出来るだけ長くして、移動時間の比率を低くすること。そして、移動時間の快適性を追求するしかありません。技術革新が出ない限り、残念ながら抜本的な解決方法は見つかりそうにありません。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年1月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。