中田宏の知っトク解説、今回は“ICPO(国際刑事警察機構)”
日産自動車の前会長カルロスゴーン容疑者が国外逃亡した件で聞くようになったICPO(国際刑事警察機構)。
レバノンに逃亡した同容疑者に対して、日本政府はレバノンの警察組織にゴーン容疑者の逮捕身柄の引き渡しを求めたからです。
正確には日本政府は国際刑事警察機構を通じてレバノン政府に逮捕・身柄の引き渡し要請しています。
国際刑事警察機構は、ICPOと訳されたり、通称インターポールと呼ばれています。
設立は1956年で、本部フランスをリヨン市にあります。
各国の警察組織の相互協力を推進することが主な役割です。
具体的には、国際犯罪、国際犯罪者に対する情報収集や情報交換、逃亡犯罪被疑者や行方不明者の発見などです。
インターポール自体に警察官がいて、その警察官が捜査をするということではなく、各国の警察組織に捜査を要請することになります。
アニメ「ルパン三世」の銭形警部のように、インターポールの刑事としてルパンを追いかけることは現実にはないということです。
加盟する国や地域は194あり、日本は設立当時から加盟しています。
今回、日本政府の要請を受けて、インターポールはレバノン政府に同容疑者の逮捕身柄の引き渡しを要請しましたが、日本とレバノンの間には犯罪人引き渡し条約がないので、レバノン政府は非協力的であると思われます。ですから、ゴーン容疑者が日本に連行されるという可能性は極めて低いと思われます。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年1月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。