「安全運転」国会がスタート。安倍首相は連続在職記録を更新してから禅譲 or 大勝負か

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

昨日からいよいよ第201回通常国会がスタートしました。

「和装議連」の方々が着物で登庁していることもあって、非常に艶やかな雰囲気でした。私も来年は着物にチャレンジしてみようかな…?

和装議連90人、着物で登院 和やかに記念撮影

さて、開会日の昨日は特別委員会の設置決議や天皇陛下からのお言葉に続き、安倍首相ら主要閣僚による施政方針演説が行われました。

安倍首相 施政方針演説 五輪成功に決意 憲法改正議論呼びかけ

非常に情緒的な語り口で、憲法改正については

「新たな時代を迎えた今こそ、未来を見つめ、歴史的な使命を果たすため、憲法審査会の場で、共に、その責任を果たしていこうではありませんか!」

などと議場を煽っていた安倍首相ですが、率直に言ってやる気があるようには感じられませんでした

参議院本会議で施政方針演説を行う安倍総理(官邸サイトより)

前回の臨時国会でも、同様のメッセージを敢えて総理の立場で述べながら、自民党総裁として党内議論をリードしていた気配はありません。

今回の通常国会は「都知事選挙が7月5日に予定されているため」延長は難しいとの理由から、提出法案は52と過去最小レベルとなっています。

これから追加されることはあるにしても、少ないときで120本程度、多いときは200本以上の法案が審議されている状況に比べると明らかに低調であり(内閣法制局HP参照)、また与野党が激しく対立しそうな法案も多くありません。

オリンピックはまだしも、都知事選挙がやっていても国会審議はできるはずなので、延長を最初から諦める・法案を絞る理由にはならないはずなのですが…。

さらには議論を呼びそうなIRについては、基本方針決定を先送りするという報道が早くも流れています。

こうした事実から推察されるのは、安倍総理の安全運転姿勢です。

歴代最長在任記録を打ち立てた安倍総理ですが、このまま8月24日まで在籍すると、「連続」在任記録も更新することになります。

歴史に名を残すことを確定的になった後、状況が悪ければ禅定して「負け知らず」で勇退、支持率が高ければ在職したまま「憲法改正」に打って出る…

と幅広くオプションを取れる状況にある安倍総理からすれば、この国会で「無理をする必要はない」と考えるのは普通なのかもしれません。(ので、私は解散は秋までないと考えています)

しかし当然のことながら、社会保障制度改革や経済政策など、改革を要する状況は待ったなしです。

歴代最長となる安定した総理だからこそ、憲法改正や抜本的社会保障制度改革など、これまで与党が先送りをしてきた課題に挑まなければならないのではないでしょうか。

批判ばかりでは、ただでさえ手堅い上に「安全運転」をする政府・与党を揺るがすことはできません。

早晩に党としても新たな社会制度の「設計図」をお示しし、本国会を通じて本質的な議論に挑んでまいります。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2020年1月20日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。