京都市長選「第3の男」村山候補参戦で共産党市長誕生は間違い

現在、2月2日投開票の京都市長選にて、自民・公明・立憲民主・国民民主・社会民主の相乗り現職と新人に2名による闘いが展開されている。

新人の1人は、共産党・れいわ新選組が推薦する候補。

村山祥栄氏(公式サイトより編集部引用)

そして、第3の男は、地域政党「京都党」を創設した地域政党の同志で、地域政党サミットをお姐と共に立ち上げた村山祥栄氏である。

村山氏はその著書「地域政党」の中で「地域第一主義」を最も重要視し、「根底にある思想は郷土愛」「郷土に対し愛着を持つからこそ、都の地域を盛り上げ良くしたいというのは当然」「地域政党派地域を愛するがゆえの政策集団」としている。

国政政党と地域政党の違いはというと前者は「地方議員は国会議員の下請け」「地方議会がミニ国会となり下がってしまう」とし、後者をして政治の地方分権改革を目指すべく「これらの支配関係を断ち切り、本来の地方自治独自の発展を進めるために必要」と、仲間と支援者を増やし平成15年初当選以来、禁断の同和利権問題にも斬り込む等(著書:京都・同和「裏」行政)精力的な活動を続けてこられた。

村山氏は41歳とお姐よりも年齢的には若いが、地方政治家の大先輩で東の空からかくありたいものと尊敬の念をもっていたが、2015年統一地方選直前に、今のままの「ミニ国会地方政治」であっていいのかと憂慮し、旧知の神戸志党代表であったかしのたかひと兵庫県議(当時)の紹介を得て連絡を取らせて頂きた。

京都党、神戸志民党、そしてお姐率いる東京の地域政党「自由を守る会」がさながら幕末の志士のごとく急きょ集い一夜にして地域政党サミット構想の骨子を創り上げたことを昨日のことのように思い出している。

昨夏の地域政党サミットin京都

現在は、二元代表制を重視し京都党を離れ無所属で挑戦しているが、その理念は全く変わらず、郷土愛溢れる地域第一主義の比類なき政策を掲げている。

京都市長選の構図

現職候補は、前回に引き続き自民党、公明党という国政与党と立憲民主、国民、社民といった国政野党、さらに地元経済団体や連合系労組を含む相乗りだ。いわゆる「共産除くオール与党」体制だ。地方の首長選挙ではままあることであるが、時代も変わり18歳投票権実施後初の市長選だというのに若者にとって国政与野党相乗りはどう映るのか。

また、国政選挙では野党連合として立民・国民と共闘体制にある共産党がれいわと組んで新人を擁立していることも奇異に映るであろう。

いずれにせよ、両者候補は与党も野党も右も左も、国政政党・政局が優先され、地域第一主義もへったくれもない。

しかしながら大手新聞やメディアはともすると、「次の衆院選野党共闘の行方は」などと国会の権力図に地方の選挙を無理やり当てはめ、国政の代理戦争かのごとく位置付けようとする。

我々のように市民生活から乖離した永田町のコップの中の争いに右往左往せず、国政政局の一線を画して議会活動や政策、選挙に取り組んでいる「地域第一主義」者にとっては、地方選をそのように切り取られることが甚だ迷惑な話のだ。

京都市では、そんな与野党相乗りVS共産一騎打ち選挙が、実際に過去2回続いてきた。しかし今回は村山氏の参戦で想定外の三つ巴となり構図が一変し、村山氏を無視したくてもできない状況が小気味いい。

“共産党になったらどないするねん”戦略

これまで、与野党相乗り現職は「共産党市長誕生になったら大変だ!悪夢の革新市政の再来だ!」という「プロパガンダ」を煽り勝利を導く戦略で、前回は辛勝であった。市民の中に、長きにわたった蜷川革新府政の後遺症(例えば、JR京都駅ホームから間近に広大な「京都府営住宅」と「京都市営住宅」が見える!)があり、左派系市長誕生の潜在的危機感を掘り起こしてきたといえよう。

なぜならば、京都市は、市議会は第一党をかろうじて自民党が死守しているもののその数21名、第二党が共産党18名で、公明党10名より倍近い議席を維持しており、衆院選においては市内小選挙区で当選者を出したこともある日本屈指の「共産王国」、「共産党の牙城」なのである。

村山氏は2008年にも市長選挙に挑戦し自公民vs共産vs村山という構図の中で8万4千票余りを得票している。そしてこの時、共産党候補は15万7521票を獲得し現職に951票差で落選という紙一重の惜敗であった。

2020年の京都市長選は奇しくもこの2008年の三つ巴の構図と同じである。しかも、れいわ新選組が共産党に相乗りしている。それゆえに京都市長選についての反応を見ていると最も多いのが「2008年は村山氏が立候補して保守分裂になり、危うく共産党市長誕生になる所だった。今回、あの村山氏がまた立候補した事で、今度こそ共産党市長誕生になるのでは。余計な立候補しやがって」というものだ。

だがその心配は間違いだ!

村山氏自身も、SNSで以下の通りつぶやいており

「いつもの「共産党市長になったらどうするねん」が激しくなってきた。そうなる可能性は極めて低いことをよく知っている。本当にそれを恐れるなら、私の出馬表明の後に市長が出馬表明したりしないし、今からでもご自身の旗を降ろせば済む話。でもそうはしないことが全てを証明している。

12年前の悪夢を語るが、あれは私が第三極になり切れず、アンチ票の受け皿になれなかったから起こった事態。12年前とは構図も似て非なるもの。しかし、このキーワードで何年京都の選挙を捻じ曲げ続けるのだろうか。こんな政策度外視の共産党市長神話を争点にした選挙は終わりにしたい。」

としている。

村山氏は「12年前の悪夢」を再現しないために、周到にこの選挙に準備を重ねてきた。

市民納得の前述の村山氏政策集はもちろんのこと、選挙直前に議員活動の集大成として「京都が観光で滅びる日 – 日本を襲うオーバーツーリズムの脅威」を上梓、「政策度外視共産党神話」国政政局争点から「地域第一主義」の観点から、京都市民のみならず全国民がわかる明確な対案を書籍で示しわかりやすい地域課題で争点化した。同和問題同様この問題について明確な解決策を呈することができるのは村山氏だけであろう。

関東者のお姐からみると、長年、行財政改革を先送りにし京都を疲弊させてきた国政政党与野党相乗り現職が使い古してきた「共産党市長になったらないするねん」という刷り込み戦術が、今回は逆に村山氏の存在により共産党市長が阻止されると同時に、今の国会の与野党どれにも賛同できない現実的な解決と将来的な対案を持つ若く実績ある村山氏に無党派層が動き、現職をも脅かす戦略に、千家御用達の窯元のいる京都らしい「窯変」していると、面白く頼もしく見ているのだ。

必死になって京都市長選を国政政局代理戦争構図にあてはめたい数あるマスメディアをよそに…

お姐総括!

村山さんの政策が超簡単にわかる動画がこちら!


編集部より:この記事は東京都議会議員、上田令子氏(江戸川区選出)のブログ2020年1月26日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は上田氏の公式ブログ「お姐が行く!」をご覧ください。