RCFは各地の復興をお手伝いしていますが、一番長く支援を続けているのが釜石市です。釜石では、財務省出身で副市長を務めた嶋田賢和さんとの縁から、震災直後の早い段階から関わるようになり、今でも2名のスタッフが釜石での常駐を続けています。
私も釜石市の地方創生アドバイザーを仰せつかり、特に地方創生計画の今後について意見をしています。
地方創生は、今年度で最初の五年間が終わり、来年度からは第二期が始まります。地域ごとに地方創生計画が練られ続けています。
「釜石の地方創生では何を目指していくのか?」という問いに対して明確な視点をもち、その実現のために施策を検討されている様子が心強く感じました。
さて、釜石については、UBSグループとの「オープンシティにむけた協働宣言」が素晴らしいです。次のnoteの後半に詳しく紹介しましたからぜひ御覧ください。宣言の抜粋も再掲しておきます。
「オープン・シティ」とはすべての市民が自分らしく幸せに生きることを追求し、釜石市内外の多様な人々のつながりが育まれ、異なる考えや意見に寛容で、かつ変化や困難を受容する再起力(レジリエンス)の高い、開かれた地域社会の在り様を指します。
この実現に向けては、市民一人ひとりの主体性が促進され、自己決定が尊重されると共に、性別や年齢などにかかわらず多様な人が活躍できる環境づくりが肝要です。こうした取組により、釜石市は多くの人々から選ばれ、新たな価値や取組、事業が創出されることが期待されます。
『UBSグループとの「オープンシティ」実現のための多様性ある持続可能なまちづくりの推進に向けた協働宣言』
復興とはけして設備復旧のことではありません。被災者かどうかに関わらず、その地域に住んでいるすべての人が多様性を認められつつ、自然に普通に暮らすことこそが復興であると、協働宣言から静かに伝わってきます。
こうしたビジョンを忘れることなく、釜石は前に進んで欲しいと願います。
編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2020年1月30日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。