安倍総理の国会答弁が随分粗くなっている。
民主党政権時代に今の立憲民主党の代表の枝野氏が、憲法はじめ法の解釈は自分が一手に引き受けると言われたことがあるようで、法制局長官にはあえて答弁させなかったことがあったように記憶している。
当時の民主党の中では、確かに枝野氏は弁護士出身であったこともあり、他の閣僚の皆さんよりは法の解釈についての安定性や一貫性はあったと思うが、内閣の法制局よりも自分の方が上だ、と思っておられたようなところがあり、本当にそんなことでいいのかしら、と思ったものだが、内閣の法制局を国会議員よりも一段下のように見る癖はどうやら現在の安倍内閣にも受け継がれているようである。
安倍総理が内閣法制局長官の人事に口を挟むようになってから、内閣における憲法の番人であるべき内閣法制局の権威が大分落ちてしまったようである。
内閣法制局の見解よりも閣議決定の方が事実上重くなっているようである。
内閣法制局は、これまで内閣の恣意的な法解釈や恣意的な法の運用を阻止するためのストッパー、歯止めの役割を果してきたはずだが、どうも最近は閣議決定が内閣法制局の見解に事実上優先するかのような扱いになっているように見受けられる。
いささか危ない。
安倍内閣がどうも暴走気味である。
安倍総理には、ご自分が立法府の長である、という意識がどこかにあるのかも知れない。
どうやら菅官房長官も安倍総理の暴走を止められなくなったようだ。
財務省も麻生さんも止められない。
安倍総理は、いつからこんな風になったのかしらと思わせるような、どう見ても見苦しいふるまいを公衆の面前でされているようである。
困ったな、というのが私の率直な感想。
政治資金規正法に抵触するかどうかと尋ねられて、合法だなどと断定的な物言いをされたのも問題だし、質問に立った野党議員に対して繰り返し面罵するような物言いをされたことも感心しない。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年2月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。