国民の関心事と国会議員の関心事がこんなにもかけ離れているのか、と驚いてしまう。
皆さん、国民の代表者でしょう?
そう、思うのだが、当の国会議員の皆さんにはどうやらその意識が希薄なようだ。
予算委員会で何をやっているかと言えば、マスコミを通じて流れてくるのは、どちらかと言うと桜を見る会やその前夜祭のことばかり。
安倍内閣の泣き所のようだから、仕方がないと言えば仕方がないのだろうが、どうも大所高所からの本格的な質疑が一向になされないようである。
日本経済の先行きに赤ランプが点滅し始めているというのに、本格的な経済対策の議論が聞かれない。
日本の国力がどんどん落ちてきているように見えるのに、日本の国力を増強するための具体的処方箋についての深い議論が国会でなされていないようだ。
どうも国会議員の皆さんは、ぬるま湯にでも浸かっておられるのだろう。
中国政府が全人代の開催時期を変更せざるを得ないほどの状況に追い込まれているというのに、日本の政府にも国会にもそこまでの緊張感はなさそうだ。
イギリスがEUから離脱したことでイギリスやEUがどういうことになるのか、日本政府は具体的にどういう構想を描いているのか知りたいところだが、そういう辺りのことについて国会で深い議論がなされているようにはとんと見えない。
難しい問題への本格的な取り組みを皆さん、避けておられるようだ。
野党の皆さんが甘いから、与党も政府も甘くなるのかも知れない。
残念ながら、すべて茶番劇のように見えてしまう。
どうも今の国会審議の在り様は、国民の願いからは遠いようだ。
予算委員会が終るまでは他の委員会が開かれない、という状況に違和感を持たれる人はおられないのだろうか。
衆議院で予算審議が終るまで、参議院の各種委員会が開かれないままでいる、という状況にどなたも疑問を持たれないのだろうか。
ここは、国民の目線で物を考える国会議員がどうしても必要である。
都議会議員時代は色々周りの人と物議を醸すことがあった音喜多氏だが、今の国会には音喜多氏のような視点の持ち主がもっと必要である。
そういう方々と、いずれ安倍総理の後を襲うと噂されている自民党の有力な国会議員との間で、本格的な国会改革構想を語り合っていただければ幸いである。
上手くすれば、そこから何かが生まれるかも知れない。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年2月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。