検事長の定年延長、コネクティングルーム不倫出張…権力腐敗の論点メモ

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

連休明け、引き続き新型肺炎の関連ニュースが駆け巡っておりますが、衆議院では予算委員会・分科会が始まっています。

今週金曜日に衆議院で予算が通過し、3月からいよいよ参議員での審議が本格化するにあたって、これは政府の明らかな失点であり取り上げられるべきものをメモしておきます(新型肺炎以外に、です)。

検事長の定年延長問題

権力の監視者としても司法を担う検察機構、そのトップの人事が恣意的に歪められている問題。

国会答弁は二転三転し、ついには「口頭決裁」でかつての法解釈を覆したという主張にまで到達しています。

黒川検事長(東京高等検察庁HPより:編集部)

言うまでもなく、事後的に「口頭決裁で変更してました」なんて理屈が通ったら法治国家は成り立たないわけで、解釈変更をするにしても、文書決裁なり閣議決定をして公表していなければ説得力がまったくありません。

口頭決裁=公文書がないということですから、これは公文書管理の問題にも接しています。

まさに「権力の私物化」の手を司法にまで伸ばしていると批判されても仕方のない事態であり、参議員でも厳しく取り上げていきたいと思います。

首相補佐官らによる行政の歪み(コネクティングルーム出張等)

常々、週刊誌ネタだけで国会審議をするのはあまり好ましくないと発言している私ではありますが、この不正出張を含む行政事務の歪みは深刻です。

東京新聞:男性首相補佐官と女性厚労官僚が海外出張で泊まった「コネクティングルーム」ってなに?

大坪審議官、和泉補佐官(厚労省、官邸サイトより:編集部)

大物首相補佐官と女性官僚が「コネクティングルーム」で海外出張を繰り返した件については、もう開いた口が塞がらない状態です。

私は一時期「舛添(都知事)研究家」と言われるほど、都政において知事の出張問題を含む公費使途の適正について詳細に調べていたわけですが、これはもう完全にアウトとしか言いようがない。

単なる男女の逢瀬に税金が支出されて、納得する人いますか??海外視察などについて、これだけコンプライアンスが厳しくなったこのご時世に。

奇しくも舛添氏がネット番組で「私の時はあれだけ批判されたのに…」と恨み節をもらしたように、これはTVメディアなどで「比較的」話題にならないのは、ひとえに登場人物の世間的知名度の低さゆえなのでしょう。

加えてこの女性官僚(大坪審議官)については、「日本医療研究開発機構(AMED)」理事長が公的な会議の場で「大坪氏が来てから、自律性が完全に失われた」と告発しており、その影響は具体的な行政事務にまで及んでいます。

「大坪氏問題」でAMED末松理事長が怒りの暴露(日経バイオテク)

本件については、具体的にいま何が起きているのか、そして再発防止策として何を講じるのかがはっきりと示されなければならないと考えています。

以上、政権擁護ばかりと言われますが、むしろ政府与党は我々の明確な対立勢力であり、長期政権の奢りについて指摘すべきところは枚挙にいとまがありません。

こうした明確な問題について、与党内から声が上がらないことにも危機感を覚えています。

新型肺炎の問題と並行して、具体的な解決策と対案をできるだけ提示しながら厳しく議論に臨んでいきたいと思います。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2020年2月25日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。